ドローン飛行許可申請が必要な空域や飛行方法はどんなものがある?許可の要・不要について解説

ドローン飛行

このページでは、ドローンの飛行許可申請がどういった場合に必要になるのかを見ていきたいと思います。

なお、飛行させるにあたって、飛行許可を取得すればどこででも飛ばせると勘違いされている方が一定数いらっしゃいます。場所によっては飛行許可申請以外の許可や届出が必要となるケースが多くあります。航空法以外の面で違反するケースも多いので、飛行許可申請以外で気を付けておきたいポイントも簡単にですが見ておきたいと思います。

必要な飛行許可・承認申請をせず、ドローン飛行に関する違反が増加

点検業務や空撮など、お仕事でドローンを飛ばす方は増加傾向にあります。それに伴い、無許可でドローンを飛行させ、書類送検される事例も増えております。

面倒だから申請しなかったという方もいらっしゃるのですが、中には許可が必要なのは知っていたものの、許可された飛行方法・場所ではないところでドローンを飛ばし、違反となるケースがあります。

また、残念なことに、いまだにそもそも許可が必要であるということを知らないという方も一定数いらっしゃいます。

近年はコンプライアンス意識の高まりから、ドローン業者に対する発注も、こうした法令順守の徹底ができているかどうかを気にするケースが増えてきました。

安全にドローンを飛行させるということはもちろんなのですが、違反することでその後のお仕事にも悪い影響が出ます。しっかりとルールを守り飛行させるようにしていきましょう。

飛行許可申請が必要となるのは以下の10個の空域・飛行方法の何れかに当てはまる場合

国土交通省のホームページを見ると、「特定飛行を行う場合は、基本的に飛行許可・承認申請が必要となります」、との記載があります。

つまり、何が特定飛行に該当するかがわかれば、飛行許可承認申請が必要なのかどうかがわかります。

以下の10通りのパターンが申請が必要な特定飛行となります。それぞれの飛行内容に合わせた適切な許可・承認申請を行う必要があります。
※参考:特定飛行とは?のページも時間があればご参照ください。

  1. 空港等の周辺
  2. 高さ150m以上の空域
  3. DID(人口集中地区)上空
  4. 緊急用務空域(※一般のドローンに許可は出ませんので飛行禁止とお考え下さい)
  5. 夜間飛行
  6. 目視外飛行
  7. 人または物件との距離が30m以上確保できない場合の飛行
  8. イベント上空での飛行
  9. 危険物輸送
  10. 物件投下

上記の①~⑩のうち、①~④は「飛行空域」に関しての禁止・制限であり、該当する場合は許可申請が必要となります。⑤~⑩は「飛行方法」に関する規制となり、該当する飛行方法を行う場合、承認申請が必要となります。

飛行場所と飛行方法で許可申請承認申請とそれぞれ別の申請が必要になように見えるかもしれません。ただ、許可も承認も、実務において申請方法は同じです。それぞれの言葉の違いを理解しておく必要はなく、知らなくても何も問題ありませんので、ドローンを飛ばす方は気にする必要なないでしょう。説明の都合上、許可と承認を分けて記載するとかえってわかりにくくなるため、ここからは、許可と承認という言葉をそれぞれ分けて記載せず、「飛行許可申請」とまとめた記載をさせていただきます。ご了承ください。

①空港等周辺の空域の飛行

空港の近くでドローンを飛ばすことが危険な行為であることは、多くの方が想像できるかと思います。

飛行機やヘリコプターなど、人が乗っている乗り物との衝突のおそれがあります。危険があることは誰でもわかるでしょう。危険回避、安全確保の観点から飛行許可申請が必要です。

問題は、どこからどこまでが空港等の周辺空域に該当するのか、ということとなります。

調べ方としては、国土地理院の地図で、空港等周辺の地図を選択してもらえれば、黄緑色でその該当箇所が表示されます。

私は長野県松本市波田で飛行させたいと思ったのですが、松本市内には松本空港があります。地図で見たところ、比較的近くにあることがわかったため、空港周辺に該当するかどうかを自分で確認してみました。すると、以下のように表示されました。

黄緑色で表示されているのが空港周辺として該当するエリアとなります。意外と広いことがわかります。ただ、この中にあるからといって必ず許可が必要というわけではなく、高さ制限にかかるかどうかを調べる必要があります。
※ちなみに赤色はDIDです。詳細は③の項目で記載します。

空港・地点ごとに飛行許可申請が必要になる高さが決められていますので、そこにかかるかどうかを調べ、許可申請の必要があるかどうかを判断することとなります。この高さは基本的には空港に近くなればなるほど低くなりますので、空港に近いほど高度制限が強くなっていくということになります。

羽田空港など、大きな空港であれば、オンライン上で「高さ制限回答システム」というものがあるため、それを使って調べることができます。「羽田空港 高さ制限回答システム」などとGoogle検索すれば出てきます。ただ、ローカル空港だとほとんどありません。そのため、空港に直接問い合わせる必要があります。

なお、私が飛行させる場所は空港周辺にそもそも該当しなかったので、高さについては問い合わせをしていませんが、電話で聞けば教えてもらえます。また、高さ制限以外のローカルルールがある場合も多く、飛行許可申請とは別途で届出書の提出が必要になったり、航空法上OKでも条例で禁止されている場合があります。また、法的な根拠はないが、管理者等からお願いベースで飛行を辞めてほしいあるいは制限して欲しいと言われたりなど、いろいろと航空法ではないところで何か言われることがあります。なので、仮に高さ制限システムがあったとしても、心配であれば電話等で他に何かないか確認しておいた方がいいです。

以下のページでも空港周辺などにおける飛行については記載しているのでご参考ください。

②高さ150m以上の空域の飛行

150mの高さというと、タワーマンションやビルの50階あたりの高さです。

そのため、こうしたビル・マンション等の壁面調査などでドローンを利用する場合、申請が必要となることがあります。
※150m以上の高さであっても、その構造物から30m以内であれば150mの飛行許可はなしで飛ばせます。

ここでいう高さとは、標高(海抜)ではなく、地表又は水面から150mとなります。

地上は必ずしも水平ではありません。山のように急な斜面であれば、飛ばし始めた場所が地表から150m未満の高さだったとしても、飛行中に150m以上になってしまうおそれがあります。

こうしたケース含め、150m以上の飛行では許可が必要です。

そのため、特殊な場所で飛行させる場合、飛行させる場所に関する事前の確認・調査が重要です。

③DID(人口集中地区)上空での飛行

DID(人口集中地区)とは、簡単に記載すると、住宅街などの人がたくさんいるようなところを指します。人口が集中している地域でドローンを飛ばすことの危険性は説明するまでもないかと思います。ドローンが故障して墜落した場合など、その飛行には危険が伴いますので、飛行許可申請が必要となります。

先ほど長野県松本市の国土地理院地図を添付しましたが、あの地図上の赤くなっているところがDID(人口集中地区)となります。

地図を見ると、松本駅周辺などの、繁華街や住宅地が多いところがDIDとなっており、それほど該当箇所は多くないように見えるかもしれません。

地方に行くと、人があまり住んでいないようなところも多く、山や田畑が広がるばかりというケースも多いです。DIDではない箇所の方が多い都道府県も多数あります。

一方で、東京都内の場合はほぼ全域がDIDとなっています。都内であれば、どこで飛ばすにしても飛行許可申請が必要になると言えます。

こちらは国土地理院地図で東京都のDIDを表示させたものです。

一部を除き、ほぼ真っ赤です。

近年はインフラや建築物などの点検の際にドローンを活用する機会が増えております。都内であればほぼ確実にDIDでの飛行許可申請は必須となると言えるでしょう。

DIDでの飛行については、以下のページでも解説していますので、興味があればご参照ください。

④緊急用務空域(一般的な事業者に許可は出ません)

緊急用務空域とは、災害などが発生した際に、救助等の緊急用務を行う際に指定される空域です。

説明するまでもなく、この空域でドローンを飛ばすことは原則禁止となっています。

原則と記載されているので例外はあるのですが、一般の方が申請して許可されることはありません。

そのため、この空域で飛行させることはできないとお考え下さい。

飛行許可申請をする前に、緊急用務空域が設定されているかどうかを確認しておきましょう。

国土交通省のホームページから確認することができます。

緊急用務空域の確認:https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html
※わかりにくいのですが、上記国土交通省サイト内をスクロールしていくと該当箇所があります。

⑤夜間飛行

夜間にドローンを飛行させることも危険が伴います。ドローンそのものを見失うリスクが高まる他、障害物なども見えにくくなり、非常に難しい飛行となります。

夜間にドローンを飛ばす代表例としては、ドローンライトショーなどのドローンの光源を利用したショー飛行などがあります。

上記に記載したドローンライトショーは明らかに夜間飛行の申請が必要になることはわかるかと思いますが、時間帯が微妙な場合もあるかと思います。そこで問題となるのは、「夜間」とはいったい何時から何時を指すのか、というところかと思います。

細かい時間については、「国立天文台が発表する日の出の時刻から日の入り時刻をいうものである」となっています。この時間帯は一律ではなく、場所・季節に変わってきます。国立天文台のホームページから調べることができます。

ただ、この時間を調べるのは面倒ですし、それほど意味はそれほどありません。

夕方以降あるいは深夜早朝など、少しでも夜間にずれ込みそうな可能性があるのであれば、夜間飛行を申請しておいた方が実務上楽ですし、安全です。

なので、そもそも夜間やそこに近しい時間帯にドローンを飛ばす可能性があるならば、申請しておきましょう。

⑥目視外飛行

目視による飛行が求められており、目視外飛行をする場合は飛行許可申請が必要となります。

そのため、どういった状態が目視外飛行に該当するのかを理解することが重要です。

目視外に該当するケースとしては、「FPVゴーグルを利用しての飛行」、「モニターを見ながら飛行させる」「基本目視だが、建物の合間にドローンが入るため、モニターチェックが必要となることがある場合」、「遠くまでドローンを飛ばすため、双眼鏡を利用して位置を確認する」、「自分は操縦に専念したいから補助者にドローンを見てもらって飛行させる」などがあります。

まず、目視というには、自分自身の目でドローンを見て飛行させる必要があります。また、双眼鏡などを利用して確認することは目視にあたらないため注意が必要です(眼鏡やコンタクトレンズは問題ありません)。

目視外飛行については以下のページもご覧ください。

⑦人又は物件からの距離30m未満での飛行

ドローンを飛ばすにあたって、人又は物件から30m以上の距離を保つ必要があります。これができない場合、飛行許可申請が必要です。

人や物件の定義は細かくされていますが、違反しがちな例としては、電柱などが近くにあるケースです。

自宅の敷地だから許可不要だろうと思って飛ばしたところ、すぐ近くに電柱・電線があり、違反していたというケースがあります。

30m以上の距離を確実に保てる状況というのはそうそうありません。基本的にこの項目の申請は必要となるケースが大半でしょう。

人や物件の細かい定義については以下の記事で解説しています。

⑧イベント上空での飛行

多くの人が集まるイベントが行われている上空での飛行は危険が伴いますので、飛行許可申請が必要です。

ここでいうイベントとは、コンサートなどの事前に開催時期・場所が決まっていて不特定の方が集まるものです。自然発生的に人が多く集まってきたような場所の上空(信号待ち、渋滞等)は該当しません。

実際にこれに当てはまるかどうかは、総合判断とされるため、行政側にも相談が必要でしょう。

イベント上空での飛行を検討されている場合、難易度が高く、時間がかかることが想定されるため、早めに申請する必要があります。また、それほど多く行われる飛行許可申請ではありませんので、事例も豊富にあるわけではありません。難しい対応になることが想定されます。

⑨危険物輸送

バッテリーや燃料、農薬など、危険な物を輸送する場合に申請が必要となります。

個人的には農薬散布での申請ぐらいしか見たことはありません。それほど多く行われる申請ではありません。

なお、ドローンそのものにもバッテリーはついていますが、それ自体は申請の対象とはなりません。

⑩物件投下

ドローンから荷物などを投下する場合は、申請が必要となります。

今後、宅配などで使われるようになったら、投下もあり得るのかもしれませんが、現時点ではあまり見ることがない申請です。

なお、先ほど記載した農薬散布は物件投下に該当します。固体だけでなく、液体も該当します。したがって、農薬はもちろん、ドローンで水を撒く際にも申請の必要があります。

飛行許可申請なしにドローンを飛ばせるケースはほとんどない

意図的に許可が不要な場所を探し出し、趣味等で飛ばす場合は別として、お仕事で依頼されてドローンを飛行させるにあたっては許可不要でドローンが飛ばせるということはほとんどないでしょう。

途中で何度か記載しましたが、30m以上の距離を保つことの困難さ、DIDへの該当の有無など、飛行許可申請をしておいた方が良いケースが大半です。

お仕事で行う場合、基本的には期間1年、日本全国の包括申請(目視外飛行・DID・30m・夜間)を行うケースが大半ですが、お仕事・案件に応じて、個別申請(空港周辺や150m等)が必要となる場合があります。

申請にも時間がかかるため、余裕をもって動くようにしてください。

当事務所でも飛行許可申請のサポートを行っておりますので、お困りであればご相談ください。

飛行許可申請以外の許可や届出が必要となるケースも多いため注意が必要

国土交通省に対するドローン飛行許可申請以外においても、基本的に、何の許可や承諾、届出もなしにドローンが飛ばせるケースはほとんどない状況になってきています。

というのも、年々ドローンの飛行に関する規制が厳しくなってきているからです。

このページでは、国土交通省に対して行うドローン飛行許可申請が必要となる場合についてを解説させていただきましたが、実際にドローンを飛行させるにあたっては、国土交通省に対する飛行許可申請だけではなく、その他の届出や許可、承諾が必要となることが多くなっています。

該当する施設の管理者や土地所有者の承諾、道路使用・占用許可、森林や山、河川での利用に関する届出など、ドローン飛行許可申請以外も含めると、何もせずに自由に飛ばせるケースはほぼありません。条例で禁止されているケースも少なくありません。

また、適法であったとしても、近隣住民などが警察へ通報してしまうことが多いため、事前に警察署等へ連絡しておく必要などもあります。お仕事の内容によっては、近隣住民へ何らかの説明のチラシなどを入れておくなどの対策も必要でしょう。

ここで説明するドローン飛行許可申請を行っていたとしても、別の法律等に違反してしまっているケースがあります。

飛行内容・場所によってはかなり難易度が高いため、ゆとりをもって申請をするようにしてください。

ドローンの規制については以下のページでも記載しておりますので、興味のある方はご参照ください。

飛行許可申請不要で飛ばせる場所

参考として、飛行許可申請を必要としない場合についても記載しておきたいと思います。
ただし、航空法以外の法律やその場所独特のルールが存在することは念頭においてください。

屋内・ネットで囲われた場所での飛行

屋内で飛行させるだけであれば航空法は基本的に適用されないため、機体登録から飛行許可申請まですべて必要ありません。

そのため、練習場所に困っている方は、自宅のリビングなどの広い場所や体育館を貸切る(ドローンOKか確認してください)などして練習を行います。体育館などで飛ばす際は窓などはしっかり閉めて、ドローンが出ていかないようにしてください。

また、網目が細かくてドローンが出ていかないようなネットに囲われた場所も屋内とみなされます。

屋内で実務で飛ばす場合としては、倉庫内の点検作業があげられるでしょう。

トンネル内部や地下道内部、煙突内部

トンネルや煙突は、入口・出口があるので、疑問に思うかもしれませんが、屋内とみなされるため、基本的に飛行許可申請は不要です。

ただし、もし屋外に出てしまった場合は、直ちに飛行を中止させ、トンネル内部に戻す必要があります。そのまま飛行させると違反となりますのでご注意ください。

100g未満のドローンだからといって自由に許可不要で飛ばせるわけではない

航空法上、機体重量100g以上のドローンが原則規制の対象となるため、100g未満であれば制限が少なくなり、飛行させやすくなります。

ただ、すべてが適用除外というわけではありません。自由にどこででも飛ばせるわけではありません。

空港周辺や一定の高度以上の場合、許可が必要な場合があります。

また、何度か記載したように、ドローンを制限するルールは航空法だけではありません。代表的なものとしては、小型無人機等飛行禁止法があります。国の重要施設とその周囲約300mは原則飛行が禁止されています。建物所有者・管理者からの許可を得て、通報することで飛行が可能となる場合があります。

このほか、条例、道路使用・占用などいろいろな制限があります。

ドローンの飛行練習にあたって、トイドローン(100g未満)を利用される方は多いかと思いますが、トイドローンなら外で自由に飛ばせるわけではないことにはくれぐれも注意いただくとともに、問題がない場所で飛行させる場合であっても安全確保に努めるようにしてください。

飛行許可申請にあたっては行政書士に相談することも検討

違反している人が多いことからもわかる通り、よくわかっていない方が多いのがドローンの飛行ルールです。

法改正が多く、都度ルールが変わるため、情報のアップデートはかなり大変です。

そのため、飛行させるにあたって、行政書士に相談することも考えてみてください。

執筆者情報

行政書士 樋口智大

アロー行政書士事務所の代表行政書士。
ドローン飛行許可承認申請の代行を始めとして、各種許認可取得サポートを行っている他、自身で会社を設立し起業した経験を活かしたビジネス支援も行っています。行政書士資格の他、宅建士や無人航空従事者試験(ドローン検定)1級などに合格しています。ドローンはDJI Mini 3を保有し、撮影しています。ご依頼・ご相談などはお問い合わせよりご連絡ください。
所属:日本行政書士会連合会、東京都行政書士会 立川支部