DJI Avata 2は、モーションコントローラーを使ったアクロバティックな飛行ができるということで、本来高い技量が必要だったものが、少しの練習で比較的誰でも飛行・撮影できるようになりました。そのため、初心者に近い方の購入も多くなっており、申請のやり方はもちろんですが、飛行マニュアルや規制を理解しておらず、飛行させるにあたっての基本事項からの相談も結構多くあります。
Avata2は確かに迫力ある映像が撮影しやすく、魅力的な機体です。ハイスピードで接近しての撮影、遠のきながらの撮影など、ダイナミックでアクロバティックな飛行が実現できる点は魅力です。
また、飛行が安定しやすいことから、FPV飛行の敷居が下がりました。
DJI Goggles 3とモーションコントローラーで深く楽しむことができる機体であり、人気があります。
ここでは、そんなAvata2の飛行許可申請について見ていきたいと思います。違反飛行も多いため、ご注意いただきたい機体となります。
なお、包括申請を含め、許可取得にあたり困りごとなどあればご相談ください。
既存の許可へ機体を追加(変更申請)も行っております。
ドローン飛行許可申請を含めたサービスについては、以下のページをご覧ください。
国交省HP非掲載機なため、資料が省略できない
「DJI Avata 2」の包括申請の相談は比較的多い印象です。
飛行許可申請時に機体情報が省略できないことと、FPVゴーグルをつけての飛行における資料作成(目視外飛行)に手間がかかるからです。システム入力がそもそも苦手という方も多いです。
また、補助者の配置をせず飛行して違反するケースがあり、指摘されてからの相談があります。包括申請で標準マニュアル02で申請している方が多いかと思いますが、基本的に補助者なしの目視外飛行はできません。
飛行許可申請時の編集画面
「機体仕様に関する資料提出」画面では、機体の写真を正面、側面、上面を撮影しましょう。
操縦装置に関する情報に関しては、これは、使用するものの名称を入れていただくだけです。製造社名はDJIでしょう。
このあたりは、おそらく普通にできるものと想定されます。
間違いやすいポイントは、運用限界に関する情報の項目かと思います。
ここの最高速度が、「㎞/h」となっているのですが、おそらく取説には「m/s」での表記になっているのかなと思います。
なので、マニュアルに載っている数値を㎞あたりの時間での数値に変換しましょう。
1秒あたり27mということなので、1時間で97,200m、つまり、97.2㎞/hとなります。単純に数値を出すだけであれば、3.6をかければOKです。
他の項目も、マニュアルやスペック表を確認の上、入力しましょう。項目がないところは、ない旨の選択をすれば大丈夫です。
なお、マニュアルは全部添付すると仕様上容量オーバーになってしまうようなので、必要な個所を抜粋して添付するか、PDFのサイズを落として添付すれば問題ありません。
基本的な包括申請のやり方は以下のページを参考にしてください
基本的な包括申請のやり方については、包括申請とは?のページで記載しているため、省略します。
ただ、夜間にFPVゴーグル(目視外)をつけて飛行は、夜間飛行の申請をしていても個別申請が必要です。包括申請ではできません。
ちなみに、DJI Avata2は灯火がありませんが、灯火はなくても夜間飛行の申請はできます(ただし飛行マニュアルの書き換えが必要)。
申請自体はDIPSで行います。
DJI Avata2はプロペラガードが付いているので、プロペラガードの写真(真上からの写真と同じで可)も添付しましょう。
包括申請時の追加基準について
先ほど記載しましたが、DJI Avata2はプロペラガードを装備しているので、プロペラガードを装備して飛行させるを選択しましょう。
夜間飛行ができないわけではないが夜間の目視外飛行は包括ではできない
もし、夜間飛行の申請も行うにあたっては、灯火を装備していないことに注意です。
また、仮に夜間飛行の申請をしても、包括申請では夜間の目視外飛行(FPV)はできませんのでご注意ください。
ただ、夜間の目視外飛行はできないものの、早朝の撮影などにおいては、準備などで目視の範囲でドローンを飛ばしたりすることもあるかと思うので、夜間飛行も入れておいていいのかなとは思います。内容にもよるためご相談ください。
なお、灯火がないので、夜間飛行入れる場合、飛行マニュアルを書き換えておいた方が良いでしょう。
FPVゴーグルをつけての申請であることに注意
地上において、無人航空機の位置及び異常の有無を把握できることの項目については、FPVゴーグルをつけての飛行だと思うので、ゴーグルの使用に関する記述をしておくと良いでしょう。
カメラからの映像や地図写真に関しては、ゴーグルをスマホ等で繋ぎ投影させることで撮影が可能です。
写真や資料の添付も忘れないようにしましょう。フェールセーフの項目については、画像添付不要です。
プロペラガードがついていたら補助者が不要になるわけではない
包括申請で標準マニュアル2を活用している方において、プロペラガードついてるから補助者いらないんですよね?と聞かれたことがあるのですが、基本的にそのようなことはありません。
特定飛行を行う場合、補助者は基本的に必要です。あるいは、補助者の変わりとなるものとして、立入り管理区画を設定し、確実に第三者が入ってこられないような体制を作ることなどが必要です。具体的にはフェンスでおおわれていて中に入れず、入口部にも立入り禁止が明確に表示されている現場などがわかりやすいでしょう。
なお、包括申請で確実な第三者の立入が制限できる状況での補助者なし目視外飛行はレベル3飛行とも異なります。ご注意ください。
無線開局は基本的に不要
FPVというと5.8Ghz帯の周波数をイメージされる方も多いかと思いますが、Avata2に関しては、2.4Ghzのため、開局申請などは不要です。
ただ、ここまでで記載しているとおり、FPVゴーグルをつけての申請は若干手間がかかることにご注意ください。
飛行マニュアルに注意!基本的に独自マニュアルが必要
風速なども含め、標準マニュアルをベースに修正した独自飛行マニュアルが必要になるかと思います。
また、夜間飛行の許可において、Avata2は灯火を装備していないことを説明しました。つまり、飛行マニュアルを書き換えないと夜間飛行で違反になる可能性があるためご注意ください。
そのため、独自飛行マニュアルの項目を選択し、マニュアルを添付しましょう。
既存の包括申請にAvata2の機体を追加する場合
既存の許可に追加する場合も、基本的に工程は同じです。
注意点としては、通常、4飛行(DID・夜間飛行・目視外飛行・人物30m未満)で包括申請をしているかと思いますが、夜間飛行を入れない場合、どうするのか?というところとなります。
4飛行の許可承認申請において、夜間飛行無しの機体と夜間飛行をする機体が混ざっている状態での許可も出たので、問題ないものと考えます。
包括申請を取ること自体は難しくないが違反に注意
包括申請は補正が出ることはありますが、許可が取れないということはなく、難しい申請ではありません。
ただ、途中で何度か記載したように、夜間飛行において目視外飛行をすることはできないなど、そういった基本的なことを知らない方が多いため、注意が必要です。
また、目視外飛行をするにあたり、補助者の配置を含め、適切な安全確保体制ができているかどうか等に関する違反も多いです。
特に空撮などで利用する際は、撮影データから閲覧者が通報し、違反が発覚する例も増えています。
許可を取ったら終わりではありません。
許可取得後、飛行計画の通報を行い、飛行前チェック、安全体制、飛行後チェック、飛行日誌の作成などしっかり行うようにしましょう。
包括申請の代行を検討されている方はお問い合わせください。また、ドローンのサービスに関する詳細は以下よりご確認ください。