ドローンを飛行させるにあたって、人又は物件との距離を30m以上を保つ必要があります。30m未満での飛行となる場合、国土交通大臣の承認が必要です。
このページでは、30m未満での飛行が必要になるケースや、飛行許可・承認申請を行うにあたっての注意点などを解説していきます。
アロー行政書士事務所では、ドローン飛行における包括申請の代行サービスを行っております。
料金体系などは以下のページよりご覧ください。
人又は物件に該当する条件は意外と多いことに注意
人又は物件とはそもそも何を指すのでしょうか?
これに該当する項目は意外と多いため、ほとんどの飛行において、承認申請が必要となります。
自分では人や物件との距離が30m保てていると思っていても、実際は違反しているケースが多くあるため、注意が必要です。
人とは?
ここでいう人とは、「第三者」を指します。当該ドローンの飛行に直接又は間接的に関与する者以外の者のことで、身元が特定されていない人です。
なので、ドローンの飛行に直接あるいは間接的に関わる操縦者や補助者は第三者にあたりません。
ドローンの飛行とは関係のない一般の歩行者などがここでいう人=第三者に該当することとなります。
物件とは?
人はなんとなくイメージが付くかと思いますが、わかりにくいのが物件です。
物件に該当する条件としては、次に掲げるもののうち、ドローンを飛行させる者及びその関係者が所有又は管理する物件以外のものをいう、とされています。
▼中に人が存在することが想定される機器(車両等)
自動車、電車、軌道車両、船舶、航空機、建設機械、港湾クレーン等
▼建築物その他の相当の大きさを有する工作物
ビル、住居、工場、倉庫、橋梁、高架、水門、変電所、鉄塔、電柱、電線、信号機、街灯等
※参考:無人航空機に係る規制の運用における解釈について(国土交通省)
該当するものは結構多いです。電柱は至るところにあるので、これらから30mの距離を確実に保つのはかなり厳しいといえます。しかも、「等」となっているので、他にもそれらしいものがあれば、該当する可能性が考えられます。現地調査をしっかり行わないと該当しないとは言い切れません。
なお、自然物(樹木)や土地は物件の定義から除外されています。また、操縦者や補助者が所有する物件も除外されます。
事前にすべての物件を把握しつくすのはかなり難しいと言えますので、注意が必要です。
いろんなシチュエーションが考えられるので「間接的」の判断が難しい
「ドローンの飛行に直接又は間接的に関与する者」の間接的が厳密にどこまでの範囲を指すのかわからなくなるケースがあります。
例えば、ドローンを使って撮影する仕事があったと仮定して、撮影にあたってはドローンを飛ばす担当者以外にもさまざまなスタッフや出演者がいる場合があります。これらの方々は第三者なのでしょうか?
このケースであれば、撮影関係者・出演者はドローンの飛行に関係するという扱いになり、第三者にはあたらず、30m未満の飛行も可能です。
先程の解釈についての書類を参照すると、「飛行目的について無人航空機を飛行させる者と共通の認識を持ち、次のいずれにも該当する者とする」との記載があります。
・無人航空機を飛行させる者が、間接関与者について無人航空機の飛行の目的の全部又は一部に関与していると判断している。
・間接関与者が、無人航空機を飛行させる者から、無人航空機が計画外の挙動を示した場合に従うべき明確な指示と安全上の注意を受けている。なお、間接関与者は当該指示と安全上の注意に従うことが期待され、無人航空機を飛行させる者は、指示と安全上の注意が適切に理解されていることを確認する必要がある。
・間接関与者が、無人航空機の飛行目的の全部又は一部に関与するかどうかを自ら決定することができる。
先程の撮影の例に戻ると、撮影に関わらず、撮影を知らないスタッフや知っていたとしても明確な指示などがなく、適切に理解していないスタッフがいれば(ただ伝えただけではダメ)、それは第三者に該当する可能性があるため、30m以上離さないといけないことになります。飛ばすのであれば承認が必要です。
正直なところ、判断が難しいな、と思う場面はそれなりに多くありますので、この30mの問題は意外とクリアするのが難しいです。現実的には承認申請をしておく必要があるとお考え下さい。
見落としがちなのは、ドローンを飛ばす了承を取得した施設内や自宅付近の電柱・街灯など
公園などの施設の管理者から許可を取り、ドローンを飛ばす場合であっても、その施設内の電柱や街灯などは物件に該当するため、30mの規制に引っかかります。
また、DIDではない自宅私有地でドローンを飛ばす場合であっても、電柱などが自宅近くにあるケースが大半であり、この場合もやはり30mの規制にかかります。
自分の家は田舎で田んぼしかないし人口集中地区に該当しないから好きなようにドローンを飛ばせる、と思って飛行させていたら、、、ということも実際にあります。
近隣住民からの通報で発覚するケースなどもあるため、ご注意頂きたい事項となります。
包括申請でまとめて申請しておくのが良い
途中でも記載しましたが、基本的に30mの規制に引っかからない飛行を実現することはかなり難しいと言えます。
そのため、包括申請の際の項目として入れておくべきであると言えます。
30m以外のものとして、目視外飛行、夜間飛行、DIDを含めた4つをまとめて申請しておかないと、業務に支障が出るケースが大半ですので、必ずやっておきましょう。
稀にどれか1つだけ申請している、というケースがあるのですが、逆に面倒ですし、メリットがありませんので、全部やってしまいましょう。
包括申請は行政書士に依頼を
このページでは、30mに関する規制についてのみを取り上げて記載しましたが、ドローンを飛ばすにあたってはその他にも様々な注意点があります。
また、申請は意外と手間がかかることもあり、代行を依頼する方も少なくありません。
行政書士であれば申請の代行が可能ですので、行政書士に依頼することも検討してみてください。
当事務所でも包括申請のサポートを行っております。
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