ドローンの飛行許可申請の相談を受ける中で、個人でも包括申請できるのか?という質問をいただくことがあります。法人や正式な事業者でないと包括申請できないのではないかと思っている方もいらっしゃるようです。
結論としては、個人でも問題なく包括申請ができます。
ただ、包括申請をするにあたっては、いくつか条件があります。
このページでは既になんらかの事業を営んでいる開業済みの個人事業主を含め、個人が包括申請をするにあたっての注意点を解説していきます。
個人でも包括申請は可能ですが業務目的である必要があり、趣味ではできない
包括申請をするにあたっては、個人か法人かということは問題になりません。
それよりも、ドローンを飛ばす目的が重要です。
包括申請は何らかの業務目的でないと包括申請ができないからです。
飛行許可申請システム(DIPS)上で業務の具体例として、以下のものがあげられています。
- 空撮
- 報道取材
- 警備
- 農林水産業
- 測量
- 環境調査
- 設備メンテナンス
- インフラ点検・保守
- 資材管理
- 輸送・宅配
- 自然観測
- 事故・災害対応
その他の項目もあるので、これら以外でも業務と認められるケースはもちろんあります。
業務に該当する範囲は広く、個人のちょっとした利用でも問題ない場合がほとんど
個人の申請の飛行目的で多いのが、空撮です。
「ドローンを飛ばして映像や写真を撮りたいだけ」というものです。クライアントワークであれば業務としてわかりやすいのですが、そうではないという方も多いです。
たとえば、撮影した動画や画像をブログやYoutubeなどにアップするだけ、というようなものです。
ただ、これであっても広告(例えばブログのアドセンス等)でお金を稼ぐ、という目的であれば業務にあたると考えることはできるでしょう。実際に稼いでいる人は仕事としてとらえることはできるかと思います。なお、実際に稼げていなくても稼ぐ意思があれば業務として考えられるかと思います。メディア運営は立派な仕事ですし、写真・画像の提供も立派な仕事と言えるでしょう。
ドローンを副業で活用される方の場合、なかなか案件を請け負って空撮するものは受注がし難いため、まずは撮影し、Youtubeなどにアップして広告を掲載する方向で動く方もいらっしゃいます。
空撮だけでなく点検業務での個人のドローン申請者が増えた
近年は空撮だけでなく、屋根や外壁の点検での個人事業主の方のドローン活用も多いように感じます。
ドローンスクールの点検等のコースを受講し、お仕事に参入していくケースも多いように見受けられます。
点検作業にあたっては、安全面、コスト面でも人間が行うよりもドローンで行った方がコスパが良くなってきている現場も多くあります。人や一般的な機械では入り込むことができない狭小現場では小型のドローンが活躍するケースも多くなってきています。
産業用の本格的なドローンばかりでなく、FPVドローンやDJI Mavic 3 Pro、Dji Air 3などの空撮機でも十分点検が可能な現場も多いため、導入しやすくなってきているというのもあるでしょう。
Mini 4 ProやMini 3Pro等の機体も見かけます。
個人で点検でのドローン利用における包括申請については以下の記事もご参考ください。
包括申請ができないドローンの飛行目的
飛行の目的によっては業務に該当せず、包括申請ができない場合もあります。
趣味も含め、利用目的において、包括申請ではなく個別申請が求められるケースも見ておきましょう。
- 研究開発目的
- 趣味
包括申請ができない飛行空域や飛行方法もある
飛行空域や飛行の方法によっても、包括申請ではできないケースがあります。
- 空港等周辺での飛行
- 150m以上の高さ
- イベント上空での飛行
- 緊急用務空域での飛行
- 夜間のDID(人口集中地区)での飛行
- 夜間の目視外飛行
- 補助者や第三者の立入を確実に制限する立入管理区画なし目視外飛行
代表的なものとして、これらがあげられます。
個人の方でも、空港周辺に該当するエリアで飛行させなければならないケースはゼロではありません。この場合、個別申請が求められます。
また、空撮のお仕事している個人の方で、花火大会などの撮影依頼をもらうことがあるかと思います。
その場合、イベント上空に該当するケースやそれに加えて夜間の目視外飛行に該当するケースもあるため、難しい申請になることがあります。
包括申請はスムーズにできても、難度の高い個別申請は専門家でも難しく、時間がかかることがしばしばです。
時間の余裕をもって進める必要があるでしょう。発注者側の協力も必要なので、理解してもらう必要があります。
包括申請で取得するべき許可項目
個人の方が空撮や点検などでドローンを活用する場合において取得しておくべき許可項目は以下となります。
- DID(人口集中地区)
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人または物件から30m未満での飛行
この4項目を期間1年、日本全国で申請し、許可を取得しましょう。
これで多くの現場に対応が可能です。
ただ、包括申請ができない空域や飛行方法の項目でも記載しましたが、夜間の目視外飛行や夜間のDIDでの飛行など、各許可項目を組み合わせの飛行はできない場合があることに注意が必要です。
現場に合わせて個別申請を行いましょう。
包括申請や個別申請について詳しく知りたい方は以下の記事もご参考ください。
農薬散布では物件投下や危険物輸送を組み合わせる
個人で意外とあるのが、農薬散布です。
基本の4項目で多くの仕事に対応可能ですが、農業などでドローンを活用する場合は、物件投下と危険物輸送が必要です。
また、25kg以上のドローンの場合もあるため、その場合少々申請が複雑になるためご注意ください。
許可承認申請では飛行実績が必要なことに注意
飛行許可承認申請を行うにあたり、総飛行実績が10時間以上必要です。
また、夜間飛行や目視外飛行の承認が欲しいのであれば、それぞれ飛行訓練実績(技能)が必要です。
物件投下等も同様に実績が必要です。
個人であろうと法人であろうと、この実績がない方は許可承認が基本的におりませんのでご注意ください。
なお、これらを証明する手段の1つとして国家資格があります。
国家資格がない方は、然るべき方から指導を受け、訓練実績・飛行時間があることを何らか記載して疎明する必要があるでしょう。
包括申請では独自飛行マニュアルが必要になる場合がある
包括申請では、航空局標準マニュアル2を利用される方が多いのですが、近年は標準マニュアルも改訂されて使いやすくなってきています。
昔は風速5m/s以上では飛行させられないなど、厳しい状況がありましたが、現在はかなり緩和されたマニュアルが最初から用意されているので、普通の方は航空局標準マニュアルでも十分飛ばせるでしょう。
コンプライアンス意識の高まりから個人でドローンの仕事が取れないケースが増えた
近年はコンプライアンス意識の高まりから、発注者側が違反に敏感になってきています。
個人の方の場合、法令に対する意識が低い方が多いのが現状であり、発注リスクの高さを感じているケースがあります。
代表的なものとしては、先ほど記載した飛行マニュアル違反があります。
また、航空法に関連するものだけでなく、条例や小型無人機等飛行禁止法など、その他の規制にも注意が必要です。
こうした法令への意識が低い個人ユーザーが多く、違反はそれなりに多くなっています。ご注意ください。
発注側が課す条件として、ドローンの操縦技能や法令への意識という観点からも、2等以上の国家資格者といった条件を付しているケースも増えているように感じます。
アロー行政書士事務所の個人の方の包括申請事例
アロー行政書士事務所では、個人の方の包括申請も当然行っております。
屋根点検や空撮でのドローン利用、河川での点検や撮影での利用など、さまざまです。
単に申請だけするのではなく、申請者が作成しなければならない具備資料やよくある違反・注意点等の資料等もお渡ししております。
包括申請でお困りであればご相談ください。
個人でもドローン包括申請は可能だが許可を取るだけでなく、内容や規制をしっかり理解することが求められている
個人や個人事業主がドローンの包括申請をするにあたっての注意点などを記載させていただきました。
許可自体は取れるものの、違反が多くなっているため、許可取得後の運用にもご注意いただきたいと思います。
アロー行政書士事務所では、飛行許可承認申請の代行はもちろん、法務相談サービスなども行っております。
また、許可承認申請ではよくある違反例のお伝えや緩和された飛行マニュアルでの申請を行っています。
もし申請などでお困りであれば、気軽にご相談ください。
個人の方の場合DJIの空撮機が多くなっておりますが、最近はLito x1シリーズ等のご相談が増えております。
また、Miniシリーズはやはり相談がかなり多いです。

新規9,900円(税別)











