包括申請で補助者なし目視外飛行はできる?レベル3/3.5飛行ではない方法を解説

補助者なしの目視外飛行を包括申請でできるのか?という相談はよくあります。

結論としては、飛行場所や範囲によっては包括申請でも補助者なしで目視外飛行は実現できる可能性はあります。

ここでは、簡単に包括申請における補助者なしの目視外飛行について解説していきたいと思います。

なお、レベル3飛行やレベル3.5飛行については別途記事を掲載しております。そちらをご覧ください。このページでは、レベル3/3.5飛行ではない方法(包括申請)での補助者無し目視外飛行について解説していきます。

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補助者にかわる立入管理区画を設定し確実な第三者の立入制限ができるなら補助者なしの目視外飛行は可能

ドローンの飛行にあたっては、安全管理における体制をしっかりと作る必要があります。基本的に立入管理措置が必須であり、補助者の配置を基本としています。

ただ、補助者の配置に代えて、フェンスや塀、看板、コーンの設置などで立入管理区画を設定するなどし、第三者の立入りを確実に制限することができれば、補助者がいない状況で飛行させることも可能です。

第三者の立入りの可能性があるならば、補助者なしではできません。第三者が立入った場合、飛行を中止させるような体制であるならば、それは補助者が必要です。

目視外飛行を行うにあたっての体制を確認

目視外飛行を行うにあたっては、補助者を配置することが前提の体制がマニュアルにも記載されています。飛行経路下に第三者がいないことを確認するとともに、補助者を配置し、第三者の立入りを制限することが求められています。

ただ、塀やフェンスを設置するなど、立入管理区画を設定し、第三者の立入りを確実に制限することができる場合は補助者の配置に代えることができるということも記載されています。

つまり、飛行範囲によってはこれらの区画の設定は不可能ではないため、補助者なしの目視外飛行が包括申請でも可能であることがわかります。

ただ、確実に第三者の立入が制限できないと行けません。

わかりやすいイメージとしては、フェンスで囲われた工場とか会社の敷地、工事現場などです。

包括申請でもDID(人口集中地区)での目視外飛行を補助者なしで行うことは不可能ではないが、基本的には補助者有りを考える

上記はあくまで目視外飛行単体で見た場合の体制です。

仕事でよくある飛行シチュエーションとしては、DIDでの飛行があるかと思います。

包括申請において、DIDでの目視外飛行は原則できません。ただ、やむを得ず飛行が必要な場合においては、安全確保の体制を強化し、補助者の配置をしっかりと行うことで、飛行させることができると飛行マニュアルに記載されています。

なので、DIDでの目視外飛行においては補助者の配置を基本的にはするべきであると考えます。

ただ、補助者に代えて確実に第三者の立入が制限できるのであれば、DIDでの目視外飛行も補助者に代えることはできるようです。

しかしながら、現実的にはDIDで確実に第三者の立入を制限するのは難しいです。

もし第三者が入ってきて事故を起こすなど、第三者に危害があれば本当に正しい運用だったのか?調査されます。

第三者の立入あるいは第三者への被害が起きている以上、正しい措置だったと認めてくれないかと思いますので、罰則のリスクがあります。

絶対無理ではないものの、現実的には難しい、リスクが高いという点で、包括申請で飛ばすなら個人的には補助者の配置を推奨しております。

自社工場敷地内など、立入が厳重に管理されており、第三者が入ってくることがないなどの状況でもない限り難しいでしょう。

とはいえ、DIDといっても場所により環境は異なりますし、飛ばす状況も人により異なります。あくまで参考としてご覧ください。

空撮では現実的に厳しい場合が多い

確実に第三者の立入りを制限するということからもわかるとおり、広範囲で比較的高い高度を飛ばす空撮において、補助者なしの目視外飛行を包括申請で行うのは、ほぼ無理だと言えるでしょう。

ものすごく狭い範囲を撮影するのであれば確実な第三者の立入りを制限する区画の設定は不可能ではありませんが、一般的な撮影での利用ということであれば、かなり難しいことが予想されます。

点検や工事などの現場でフェンス等で囲われている場所での目視外飛行がわかりやすい例

飛行場所や該当する建物等によるところはありますが、屋根等の点検などで補助者なしの目視外飛行を包括申請で行うことは不可能ではありません。

この場合、DIDではない住宅等であること、しっかりと立入り管理区画を設定し、第三者の立入りを確実に制限できていることが求められます。

東京都内のごちゃごちゃした環境では実質不可能な場合が多いかと思いますが、地方や田舎の住宅等の現場であれば、実現が可能な場合も多いかと思います。

レベル3飛行とは異なる

レベル3飛行なのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、第三者の立入りが確実に制限できる場合の飛行はレベル3飛行に該当しません。

レベル3飛行は、確かに看板の設置等立入管理区画を設定していますが、確実に第三者の立入を制限しているわけではなく、可能性として、第三者の立入り可能性は0ではありません。

少し内容をまとめると、包括申請においては、フェンスや塀などで囲われた自社敷地や工場など、第三者の立入りを確実に制限できる立入り管理区画の設定ができた場合において補助者なしの目視外飛行が可能です。

レベル3飛行では、第三者が存在する可能性が低い場所を選定し、立入管理区画の設定をし、第三者の立入りは可能性としてはゼロではない補助者なしの目視外飛行です。飛行場所の特定が必要です。

レベル3、レベル3.5飛行は別ページで解説しているのでそちらをご覧ください。

また、包括申請とレベル3飛行は異なりますので、包括申請取得者が勝手な判断でレベル3飛行を行うことはできず、申請する必要がありますのでご注意ください。

包括申請で補助者なし目視外飛行は不可能ではないが厳しい場合が多い

包括申請でも、補助者に代えて立入り管理区画を設定し、確実な第三者の立入りが制限できるならば、補助者なしでの目視外飛行は可能です。

ただ、確実な、との記載があるとおり、現実的には難しい場合は多いかと思います。

また、仕事で飛行させるにあたってはDIDに該当するエリアも多いため、難しい場合が多いでしょう。

そのため、基本的には補助者の配置を前提として考えるようにしましょう。

このページを見た方の中には、空撮で補助者無しで目視外飛行ができたならば、と思ってみた方もいらっしゃるかもしれません。

その場合、内容としては期待に沿うものではないかもしれません。ただ、空撮の方の補助者無し目視外飛行を含めた違反はかなり多くなっているので、安全のためにもご自身のためにもご注意ください。違反して飛行させれば撮影したデータが使えなくなる可能性があります。

アロー行政書士事務所ではドローン飛行許可の申請代行や法務相談を行っています。

包括申請あるいは個別申請でお困りの方はご相談いただければと思います。

参考文献

国土交通省カテゴリ―Ⅱ(レベル3)飛行の許可・承認申請に関する説明会

「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」等の一部改正案に関する意見募集の結果について

無人航空機の飛行許可・承認手続 – 国土交通省

執筆者情報

行政書士 樋口智大

アロー行政書士事務所の代表行政書士。
ドローン飛行許可承認申請の代行を始めとして、各種許認可取得サポートを行っている他、自身で会社を設立し起業した経験を活かしたビジネス支援も行っています。行政書士資格の他、宅建士やドローン検定1級などに合格しています。ドローンはDJI Mini 3を保有し、撮影しています。
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