目視外飛行とは?一瞬でも目を離したら目視外?ドローン飛行許可承認申請の必要性と合わせて解説!

行政書士の樋口です。本日は、意外と質問が多い目視外飛行について記載していきたいと思います。

ドローンを飛行させるにあたっては、操縦者本人の目視による飛行が求められています。

ただ、適切な許可承認申請を行うことで、目視によらない飛行も可能となります。たとえば、モニターを見ながらドローンを飛行させる場合は目視によらない飛行に該当するわけですが、許可承認を得ることで飛行が可能です。

また、実際にドローンを飛ばしている際に、1秒たりともドローンから目を離さないことは難しいのでは?と疑問に思う方も大勢いらっしゃいます。どの程度まで目を離すことがあったら目視外飛行になるのか、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

ここでは、目視外飛行の定義や解釈についての説明と、実際に目視外でドローンを飛ばす際に必要な許可・承認申請について記載していきたいと思います。

※ドローンの規制は変化が激しいため、目視外の定義・解釈も変わるおそれがあります。実際に飛行させる際は最新の情報をご確認ください。
※補助者を配置しない目視外飛行については別のページで解説しております。

ドローンの目視外飛行とは?

目視外飛行とは、操縦者自身がドローンを見ないで飛行させることを言います。

例えば、手元にあるモニターを見ながらの操縦や、建物の間に入ってドローンが見えなくなってしまう状況での飛行、ドローンがものすごく遠くに行って見えなくなってしまう状況などが目視外飛行にあたります。

操縦者自身がドローンを目視している必要があるので、補助者を配置して、補助者がドローンの飛行状態を常に確認していても、操縦者がモニターなどを見ている状態であれば、それは目視外飛行となります。

また、ドローンを遠くまで飛ばすケースにおいて、望遠鏡・双眼鏡などで見ながら飛ばす行為も目視外となります。FPVゴーグルでの飛行も目視外飛行です。

ただし、眼鏡やコンタクトレンズは目視外にあたりません。

目視外飛行に該当するなら、飛行許可・承認申請が必要となります。

一瞬でも目を離したら目視外飛行なのか?

私がドローンに興味を持ち始めたころ(2021~2022年頃)は、「一瞬でもモニターを見ることがあるなら目視外飛行に該当する」といったような話や「車の運転と同じでスピードメーターを一瞬見るとかは目視内という認識で大丈夫」などいろいろな解釈を聞いたことがあります。当時の国土交通省等のホームページを見ても、具体的な記載はなく、どのくらい目を離していたら目視外になるのかよくわからなかった記憶があります。

時が経ち、2023年9月にカテゴリ―Ⅱ(レベル3)飛行の許可・承認申請に関する説明会というものがオンラインで行われ、国土交通省航空局の資料が公開されているのですが、そこでの質疑応答の記録によると以下のように記載されています。

Q
目視外の定義について、モニターを確認するため機体から目を離した場
合は目視外となるのか。
A

目視内での飛行にあたっては、操縦者が機体及びその周囲の状況を目
視により確認することが必要となりますが、安全飛行するためにバッテリー
残量を確認する程度のモニターの確認は目視内の範疇であると認識し
ております。ただし、モニターを凝視する等により、機体から目を離した場
合は目視外となります。
※参考資料・引用:国土交通省 航空局無人航空機安全課カテゴリ―Ⅱ(レベル3)飛行の許可・承認申請に関する説明会の資料の48ページ目

バッテリーの確認程度は目視内との記載があるので、一瞬確認する程度であれば、目視内飛行と考えて良さそうではあります。

目視外飛行で補助者の配置・立ち入り管理措置をしない違反が多い

空撮などで多いのですが、目視外飛行の許可・承認申請(包括申請)はしているが、補助者を配置せずに目視外飛行をしているケースが過去比較的多くありました(そもそも知らない、飛行マニュアルなども見ていない等は多いです)。

一部の場合を除き、基本的には補助者を配置し、適切な安全確保が必要であることに注意してください。補助者無しの目視外飛行をお考えの方は、適切な申請や飛行マニュアルが必要です。該当のページで詳細を記載しております。そちらのページをご参照ください。

ドローンを飛ばしたことのある方ならわかるかと思いますが、ドローンの飛行には危険が伴います。カメラから送られてくる映像は実際の状況とラグが出ていますので、うまく操縦できないリスクもあります。

適切な安全管理措置を行い、飛行させてください。

ドローンの目視外飛行の許可承認申請では飛行マニュアルの中身を理解しておくことが重要

目視外飛行に該当する場合、承認申請が必要なことをここまでで何度か記載しました。実際に申請するにあたっては、DIPSというシステムで申請を行います。

それほど難しい申請ではありませんが、先ほど記載したように、付属する飛行マニュアルの内容を理解し、申請を行う必要があります。

機体によっては追加基準の入力や画像ファイルの添付が必要となります。

独自飛行マニュアルではなく、標準マニュアル②を利用する方も多いかと思いますが、申請する前に一度読んでおくことをおすすめします。

本当にあなたが実現したい飛行がこのマニュアルの内容で飛ばせるのか?見てください。

機械的に訳も分からず申請し、どんな許可・飛ばし方ができるのかを理解せずに違反しているケースが多くなっています。

夜間における目視外飛行は包括申請ではできない

夜間飛行、目視外飛行の包括申請をしているから夜間の目視外飛行も問題なくできる、と思っている方は多いのですが、夜間における目視外飛行は包括申請ではできません。

個別申請が必要です。

詳しくは、夜間における目視外飛行とは?のページをご参照ください。

目視外飛行以外の項目や航空法以外の規制にも注意が必要なため、行政書士への相談も有効

ドローンを飛ばすための手続きは意外と面倒です。

単に目視外飛行を含めた包括申請をするだけでは済まず、飛行場所や方法に応じたさまざまな規制やルールがあります。それに伴って何をどう手続きすればいいのかわからないという方も多くいらっしゃいます。

適切な申請や届出、承諾を得ずにドローンを飛ばし、違反をする事例(航空法違反であれば罰金50万円等もあります)も増えています。

バレないと思っている方もいるのですが、撮影データなどから違反が発覚することもあります。

目視外飛行を含め、特定飛行に該当する場合、まずは航空法における飛行許可・承認を取得しましょう。そのうえで、飛ばす場所などに応じて、さらに必要な手続きを進めましょう。

許可・承認申請にあたっては、行政書士に代行してもらうのも有効です。

当事務所でもドローンの飛行許可承認申請のサポートを行っております。

気軽にご相談いただければと思います。

執筆者情報

行政書士 樋口智大

アロー行政書士事務所の代表行政書士。
ドローン飛行許可承認申請の代行を始めとして、各種許認可取得サポートを行っている他、自身で会社を設立し起業した経験を活かしたビジネス支援も行っています。ご依頼・ご相談などはお問い合わせよりご連絡ください。
所属:日本行政書士会連合会、東京都行政書士会 立川支部