諏訪湖でドローンを飛ばすことはできる?必要な許可申請や届出について

諏訪湖空撮写真

諏訪湖を含め、その周辺でドローンを飛ばしたいという方が一定数いらっしゃいます。

諏訪湖は観光地でもあることから撮影スポットが比較的多くあり、そういった方の中にはドローンを飛行させたいとお考えの方もいらっしゃいます。また、建設業者様などお仕事でドローンを利用される方もいるでしょう。近年は輸送に伴う実証実験なども行われています。

ここでは、諏訪湖を中心として、長野県諏訪市近辺で、そもそもドローンが飛ばせるのか?ドローンを飛ばせる場合は必要な許可や届出は何か?注意点はあるのか?を見ていきたいと思います。

なお、注意事項として、ドローンに関連する法律や各自治体、施設管理者が定めるルール、手続き方法は頻繁に変更されています。そのため、実際に飛ばしたいと思った際は必ず最新の情報を改めて確認するようにお願いします。本ページの情報も過去の情報になるため、今現在どうなのかの確認は必要です。

以前は飛ばせたが、今は基本的に許可が出ず飛ばせない、という場所もたくさんあります。

諏訪湖でドローンを飛ばすにあたり考えること

まず、諏訪湖でドローンを飛ばすにあたって必要となる許可や届出、注意事項の全体像を見ておきましょう。諏訪湖と一口に言っても、諏訪湖は岡谷市、諏訪市など広域にまたがる広い湖です。諏訪湖上空なのか、周辺の公園やお城等で飛行させたいのかなどによっても変わってきます。

そうしたことも含め、以下のことを検討しましょう。

  • 諏訪湖のどのあたりから飛行させるのか確認
  • 該当する場所で飛ばことが可能な余地があるのかを確認
  • 機体登録が済んでいるか確認(※このページでは機体登録済みである前提で記載しています)
  • 飛行場所・方法を確認
  • 国土交通省飛行許可承認申請を行う
  • 飛行許可がある状態で公園管理者などの施設管理者に申請書・届出書を提出する
  • 飛行計画の通報を行う
  • ドローンを飛ばす
  • 飛行日誌を作成する

これらを一つずつ見ていきます。

諏訪湖でドローンを飛行させることは可能。ただし、場所により禁止されており、航空法以外の許可や届出が必要になる

諏訪湖は全面的にドローンの飛行が禁止されているわけではありません。適切な許可承認申請や届出、連絡・通報を行っていれば飛行させることが可能です。

諏訪湖周辺のどこでドローンを飛ばすか確認

どのあたりでドローンを飛ばすのかを確定させましょう。先ほど記載したように諏訪湖は広いです。

諏訪湖の周囲には公園が配置されておりますが、諏訪市都市公園では原則ドローンの飛行が禁止されています。たとえば、諏訪市湖畔公園の飛行を希望されるケースがありますが、都市公園で飛行させたいとお考えであれば、国土交通省飛行許可申請の他に、「諏訪市都市公園行為許可申請書」と「無人航空機の飛行計画書」が求められます。これはあくまで一例ですが、飛ばす場所により必要な独特な申請書があり、それぞれ異なりますので、どこからどこに飛ばすのか、まずは確認しましょう。なお、絶対許可が下りるわけではありません。時期やタイミングなどにもよります。

後は、国指定の重要文化財(たとえば諏訪湖周辺だと片倉館)はドローンの飛行が禁止されています。ただ、飛行内容によっては(自治体からの依頼等)許可される可能性がないことはないです。個人的には申請をしたことがありませんので何とも言えませんが、別の国指定重要文化財では許可取りに時間はかかるものの、適切な飛行、必要性が認められてOKになることもありますので、もしそういったエリアでの飛行が必要なのであれば、まずは管理者へ確認してみることをおすすめします。

ちなみに、諏訪湖上空での飛行は当然検討されているかと思いますが、航空法に基づく適切な飛行許可承認申請がある状態で、長野県諏訪地域振興局へ確認の電話を入れましょう。基本的に諏訪湖上空は飛行は可能であり、飛行許可申請がある前提で、電話連絡あるいは届出があれば飛行が可能であると考えられます。こちらも早めに確認を取るようにしましょう。

ドローンの飛行許可承認申請を行う

航空法において、「特定飛行」に該当する場合、飛行許可承認申請が必要になります。

諏訪湖であるかどうかは関係なく、特定飛行に該当するなら国土交通省の飛行許可承認手続きが必要です。なお、飛行させるドローンの機体重量は100g以上25㎏未満であると想定して話を進めていきます。100g未満の機体の場合、一定の場合(空港等や高度等)を除いて航空法の影響を受けないため、ここでは100g以上のドローンであると仮定して話を進めます。

特定飛行に該当するのは以下の10個の場合

  1. 高度150メール以上での飛行
  2. 空港等の周辺での飛行
  3. 人口集中地区(DID)の上空での飛行
  4. 緊急用務空域※もし緊急用務空域に指定されたら通常のドローンは飛行できません。
  5. 夜間飛行
  6. 目視外飛行
  7. 人又は物件と一定の距離(30m以上)を確保できない飛行
  8. イベント等の催し物上空での飛行
  9. 危険物の輸送
  10. 物件の投下

諏訪湖周辺でドローンを飛ばすことを考えると、空撮の方が多いと思いますので、③のDID上空での飛行と⑥の目視外飛行、⑦の距離30m未満での飛行の許可が必要かなと思います。

なぜ諏訪湖で飛ばすのか、その目的などにもよるところはありますが、空撮でしたらこの3つは最低必要でしょう。その他個別の事案ごとに調整していくこととなりますが、③⑥⑦に加えて⑤の夜間飛行も入れた包括申請を行っておくのが一般的となっています。

なお、以下は諏訪湖周辺の国土地理院地図でDIDを表示させたものとなりますが、周辺はDIDであることから、DID上空の許可は必要だと想定されます。

諏訪湖周辺の国土地理院地図

その他、高度150m以上での飛行や純粋に趣味での飛行などの個別申請が必要な場合もあるでしょう。

こうした申請自体はDIPSシステム上で行います。

特定飛行については以下の記事でも解説しているので、そちらも併せてご覧ください。

なお、飛行許可申請にあたっては、10開庁日より前に申請する必要があります。一般的な申請であれば10開庁日あれば許可が出ますが、審査機関が混んでいたりすることもあるので、早めに手続きを行ってください。また、補正が出る可能性もあります。

諏訪の病院や公園の防災ヘリポート、病院への搬送のヘリコプターの経路

なお、情報の補足で、2023年6月以降において、DIPSで申請しようとする際に、防災ヘリポートや病院の搬送ルートが表示されます。諏訪赤十字病院のヘリコプター離着陸経路として表示されています。

諏訪湖周辺のDIPS画像

特に航空法上の空港に該当するものではないため、特別な許可はいりませんが、施設管理者との個別の調整をしてください(確認してください)とのことでした。

いずれにせよ、トラブルは避けたいところですので、該当箇所を飛行させるおそれがあるのであれば、確認をしておくようにしましょう。ただ、該当する施設の管理者がよくわかっていないケースがあるようでしたので、詳細に事情を話す必要はあるでしょう。

特にそこの経路を通過する必要がないのであれば、当該箇所は避けておくのが無難でしょう。

また、有人機が来たら、当然ドローンの飛行は中止し、避けるようにしましょう。

指定公園等への許可・届出書

先ほど記載したように、公園で飛行させることがあれば、該当する公園での飛行の許可や公園の使用届を記載し、提出しましょう。

この段階ではおそらく国土交通省飛行許可申請書の添付が必要とされるため、先ほどの許可書と合わせて提出しましょう。

長野県諏訪地域振興局への確認も忘れずに行ってください。

その他、特殊なケースでは(たとえば道路使用に伴う道路使用許可等)その他の許可等が必要になることも考えられます。ドローンの飛行にあたって何が必要になるか、飛行の目的、場所、飛ばし方、時期などをしっかり整理しておきましょう。

飛行計画の通報をし、飛行させ、飛行日誌をつける

飛行前にはシステム上で飛行計画の通報を行いましょう(特定飛行の場合)。

また、必須ではありませんが、事前に警察署へドローンを飛ばすことを伝えておくことで、近隣住民等が警察に通報したとしても、話が通っているのでスムーズになります。

実際に諏訪湖周辺でのドローンの飛行を終えたら飛行日誌をつけることを忘れないでください。

違反した飛行は増えている

ドローンの違反は結構多くなっています。注意点は、飛行マニュアル、飛行計画の通報でしょう。

包括申請に伴い、標準マニュアルを利用して許可を取得したにも関わらず、それに違反した飛行をしている事例が増えています。

風速5m/sの制限や目視外飛行における補助者の配置などです。

まず、飛行マニュアルを確認し、どのような飛ばし方ができるのかは確認をしておいてください。もし標準マニュアルでは厳しい場合は独自マニュアルを申請時に添付する必要があります。

飛行計画の通報は義務なので、これに違反すると罰則があります。気を付けてください。

諏訪湖でドローンを飛行させるなら適切な許可を取る

このページでは、諏訪湖でのドローンの飛行について必要な許可等について記載させていただきました。

ただ、内容をかなり一般化して記載しましたので、個別の飛行内容によってはこれに則さない可能性も当然あります。また、時期などによっても飛行できない場合はあります。

実際に飛行させる場合は、行政書士に相談してみることも検討してください。

アロー行政書士事務所でもドローンの飛行許可申請を始めとして、ドローンを飛行させるのに必要な手続きの代行やサポートを行っています。

ご相談いただければと思います。

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執筆者情報

行政書士 樋口智大

アロー行政書士事務所の代表行政書士。
ドローン飛行許可承認申請や建設業許可申請、産業廃棄物収集運搬業等の許可申請や契約書作成、内容証明作成等を行っています。また、自身で会社を設立し起業した経験を活かしたビジネス支援も行っています。行政書士資格の他、宅建士やドローン検定1級などに合格しています。写真撮影に凝っていた時期がありドローンもその一環でよく飛ばしていました。
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