ドローンのレベル4飛行とは?何が実現できるのか?

ドローンのレベル4飛行とは、有人地帯での補助者なしの目視外飛行のことを指します。

ドローンの飛行は、基本的に有人地帯(第三者上空)を飛行させないことが前提となっており、ドローンが利用できるシーンは限定的です。

レベル4飛行が普及していくことで、物流やインフラ点検などはもちろんのこと、スポーツ中継や撮影などでも利用でき、さまざまな社会問題の解決、快適な生活の実現に近づく可能性が高まります。

レベル4飛行に必要なもの・要件

レベル4飛行を実現するにあたり、クリアしなければならない要件があります。

  • 第一種機体認証を受けた機体
  • ドローン国家資格一等
  • 適切な運航管理体制

リスクの高い飛行内容であることから、操縦者においては国家資格(一等)が求められ、飛行にあたっては第一種機体認証を受けた機体である必要があります。また、補助者のレベルや機体整備、飛行マニュアルも含め、適切な運行管理体制が求められることとなります。

現状、第一種機体認証を受けたドローンはほとんどありません。バッテリーも含めた機体性能等における課題も多くあります。

また、厳しい運航管理体制が求められ、現時点では事業化は厳しい状況です。

実質的にはこれからが本番という状況です。

社会実装に向けて段階的に進めている状況です。

レベル4飛行で何が変わる?何が実現される?

国交省が管理する無人航空機レベル4飛行ポータルサイトにも記載がある通り、有人地帯(第三者上空)での補助者なし目視外飛行が実現できることから、ドローンの活用範囲は一気に拡大します。

物流でのドローン利用

現状、レベル3.5飛行の新設により、過疎地などの無人地帯におけるドローン利用はあります。ただ、レベル4飛行が実現できれば、有人地帯での配送が実現でき、物流における人材不足や交通渋滞の緩和などに繋がることが予想されます。

インフラ点検や測量、建設現場での利用

インフラの老朽化なども大きな問題となっています。

ドローンの活用により、不足した人材を補うとともに、危険な場所での点検や測量などでも活用でき、安全面でも利用メリットが高くなっています。

現時点でも点検でドローンは活用されていますが、より利用が便利になることが予想されます。

スポーツ中継や撮影などエンタメ分野でも活用しやすくなる可能性

スポーツの中継や撮影、フェスイベント等でのドローンが活用しやすくなる可能性はあります。そうなれば、迫力ある映像を含め、これまでとは違った視点での楽しみができる可能性はあります。

現状、人が集まるイベント等に該当する場合での飛行においては立入禁止区画の設定が求められる飛行を行う必要がありますが、場合によってはこれまでとは違った俯瞰映像などが実現できるかもしれません。

警備や防犯での利用

警備での利用においてもドローンの活用は進んでいます。現状、第三者上空での飛行が難しく、限定的な利用(海等の無人地帯等)となっておりますが、第三者上空での飛行が可能になれば、その活用範囲は広がります。

ただ、警備での利用にあたっては、ドローン以外の側面での要件にも注意です。

ドローンレベル4飛行は今後に期待

現状、有人地帯のドローン配送を含め、社会実装が進んでいくことが期待されます。

機体認証を含め、課題は多いのですが、少しずつ前進しています。

ドローンの活用により社会が良くなっていくことを期待したいと思います。

なお、レベル4飛行ではなく、レベル3.5飛行は許可申請も進んできています。レベル3.5飛行について興味がある方は、以下の記事もご参考ください。

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執筆者情報

行政書士 樋口智大

アロー行政書士事務所の代表行政書士。
ドローン飛行許可承認申請や建設業許可申請、産業廃棄物収集運搬業等の許可申請や契約書作成業務を行っています。また、自身で会社を設立し起業した経験を活かしたビジネス支援も行っています。行政書士資格の他、宅建士やドローン検定1級などに合格しています。ドローンはDJI Mini 3を保有し、撮影しています。
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