行政書士試験の一般知識等の対策はどうする?出題内容に改正がある?足切り回避のためにも文章理解を間違えないようにしよう

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実際に行政書士試験を受けた際に最も不安だったのが一般知識等の問題です。

14問中6問以上正解できないと足切りということもあり、不安に感じている方が私以外にも多かったように感じます。

実際に本試験を受けている最中もずっと不安でしたし、家に帰って自己採点するときもこの一般知識コーナーが一番緊張しました。

6問以上正解が確定した瞬間の安堵感は今でも忘れられません。

毎年一定数の方がこの一般知識問題で足切りされてしまうようですが、せっかく今まで勉強を頑張って来たのに一般知識で足切りになったら悔しすぎます。

しかし、かといって一般知識は何が出題されるかわからないため、ここの対策に時間をかけすぎても効率を考えると悪すぎます。

私も試験前は何か特別な対策をすべきかかなり悩みました。このページに辿り着いた方も本試験を前に一般知識が不安で仕方なく、悩んでいるという方も多いでしょう。

そこで、ここでは行政書士試験の一般知識で足切りにならないためにはどうすべきか?ということを勉強方法と問題の解き方という2つの視点で書いていきたいと思います。

行政書士試験の一般知識等の出題範囲

一般知識問題の出題範囲としては、政治経済社会(関連法令含)・個人情報保護・情報通信・文章理解です。
※今後は行政書士法の出題が明文化されましたので若干内容に変更があります。変更点は以下。

2023年まで2024年度以降
政治・経済・社会
※2023年度の試験まではこの中に行政書士法を含めた関係法令も範囲になっていたが、行政書士法は実質的には試験に出たことはなく、実質範囲外だったと言える。。
一般知識
情報通信・個人情報保護法行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令
※行政書士法と関連する法令が明確に試験に出ることが確定した。
文章理解情報通信・個人情報保護法
文章理解
行政書士試験一般知識範囲変更点

この中から全部で14問出題され、6問正解する必要があります。

時事・政治経済から7問か8問ぐらい出題されます。最もボリュームが多いゾーンです(今後はやや減少するものと思われ、代わりに行政法等が出題されるのでむしろ勉強しやすく得点しやすくなると考えます)。

個人情報保護が1問か2問、情報通信が1問か2問、文章理解が3問といった構成になっています。

このうち得点源にしたいのが文章理解、個人情報保護、情報通信の分野です。

後ほど詳しく記載しますが、文章理解は落ち着いた精神状態で時間をかけて解けば誰でも正解できる難易度ですので絶対に間違えたくない問題です。
個人情報保護は頻出問題が多いので、ある程度勉強すれば1問は取れるため、確実に1問を稼げるジャンルです。
情報通信は常識レベルで解ける問題が多いのでチャンス問題が出ることが期待できます。

対策が難しく、厄介なのがボリュームの一番多い、時事・政治経済ゾーンです。

ここは範囲が広すぎて対策が難しいです。ただ、過去問をやっていくと政治経済領域で頻出問題があることもわかりますので、点数の上乗せは可能だと感じました。

基本的に足切りを回避するための戦略としては、文章理解で3問正解、個人情報保護で1問正解、情報通信で1問正解、政治経済で1問正解、この6問正解で足切り回避を狙っていくことが得策です。

また、行政書士法も範囲が決まっているので勉強はしやすく、得点しやすいのかなと思います。

こうした前提条件を踏まえて、一般知識で足切りされないようにすることについて説明していきます。

一般知識は終わってみればなんだかんだ点数が取れるというのが現実

まず初めに安心材料を記載しておくと、一般知識問題は解いている最中はかなり不安なのですが、いざ採点をすると意外と正解できているものです。

私は行政書士試験の一般知識の過去問を13年分やりましたが(文章理解を除く)、13年分やっても足切りの点数以下になることはありませんでした。文章理解の3問をやらずともです。

特に普段新聞は読みませんし、テレビのニュースも見ません。ネットでちょろっとニュース見るくらいです。

その程度でも意外と正解できる問題が多かったです。

小学校・中学校・高校・大学と成績は普通程度でした。

なので、これまでの人生で普通程度の成績(偏差値で言えば50ぐらい)がある方であれば、おそらく一般知識で足切りされることはないんじゃないかなというのが個人的な感想です。

問題の答えをズバッと正解できるというよりは、明らかにおかしな選択肢が多く紛れているので、消去法で正解できる問題が多いです。問題文と選択肢を落ち着いて読めば正解できる問題が多いことが点数が取れる要因となっているかと思います。

ただ、中には学生時代いろいろあって全く勉強していなかったから常識問題すら怪しくて不安という方もいらっしゃるかもしれません。

そういった方は最低限の勉強をしておくと良いでしょう。

一般知識問題にも頻出事項があるため最低限過去問をやっておいて損はない

行政法や民法の勉強をしている時に、毎年必ず出ているような頻出問題というものがあることに気が付くかと思いますが、一般知識問題でも形を変えて何度も出題されている問題があったりします。

出題ボリュームの多い政治・経済分野でも頻出事項がある

時事問題はタイムリーネタが出るので過去問をやっても意味がありませんが、政治・経済の分野に該当するところでいくと、選挙制度や環境問題、国連関係、難民関係などの割とよく出るジャンルというのもあります。

私が受けた年の行政書士試験一般知識問題ではラムサール条約やパリ協定などが出ましたが、これも過去に似たようなところが出題されていました。常識レベルで解ける問題ではありますが、私は過去問をやっていたおかげで、過去問でもこれ見たな、という形で安心して解けました。

ここ数年はウクライナとロシアの問題などもあるので、例えばそれに絡めて難民に関する問題が出題されたりしそうな気がしますが、このあたりの難民に関するものは過去問で出題されているので、過去出題されている知識は最低限押さえておくとプラス1問の正解ができるかなと感じます。

なお、難民というところでいくと、日本ではウクライナ「避難民」という形で日本での在留を認めており、難民とは異なるのでご注意ください。

こうした形で、よく出ているジャンルが何個かあり、そこから1問ぐらいは出る傾向にあるので、何か勉強したいなと思っている方は過去問をやり、更にこの頻出事項の周辺知識を少しだけやるぐらいで良いでしょう。

ただ、1問出るかでないかレベルなので、時間がないのであれば時事・政治・経済の勉強はしなくても大丈夫です。

情報通信は常識で解けるものが多い

情報通信の分野で行くとAIに関する簡単な知識やビットコインに関連するブロックチェーン絡みの問題も出題されがちです。

過去はhtmlやファイアウォールとはなんですか?といった形でインターネットの基礎知識みたいなのも出題されていましたが、今後は多分AIとかブロックチェーンなどの最新テクノロジー系になっていくんじゃないかなと思います。

私はIT業界に勤務していたからということもあり、何の苦も無く問題が解けましたが、もしこうしたITやWebに関する知識が弱いということであれば、基礎知識ぐらいは押さえておくといいのかもしれません。

ただ、これも過去問を見てみるところから始めると良いかと思います。

仮に知識的にわからないものがあっても、常識的に絶対この選択肢はあり得ない、というものが毎年たくさんあります。

自動運転技術の問題が出題されたこともあるのですが、これも知識的には何も知らない状況で問題を解きましたが、問題文の選択肢を読めば正解が出せるようになっていたりします。

なので、知識をつけなくても正解できる問題が多いという意味でそれほど対策はしなくていいかなと思います。

個人情報保護は出題範囲が狭いから勉強すれば正解できる

個人情報保護法などもだいたい出るところが読めますし、それほど範囲は広くないので一通り勉強しておけば2問中1問は正解できると考えます。

過去問をある程度やっておくことと法改正があればそこを押さえておく程度十分かなと思います。

また、余力があれば周辺知識を少しインプットしておくのも悪くないかなと思います。

私はスタディング 行政書士講座を使って勉強していましたが、こうした通信講座を使うと一般知識の頻出事項をまとめてくれていて勉強するのが楽なので、不安な方は最初からこうした資格講座を検討してみるのも良いでしょう。

一般知識の過去問も収録されており、手軽に解けますし、時代に合わせた解説も付け加えてくれている他、これは覚えなくてもいいでしょうなどのコメントも入っているので効率的に一般知識の必須領域の勉強ができると思います。

時事問題対策はやらなくていいと個人的に思った

時事問題対策はやる意味がないと思っています。

私が行政書士試験を受けた時は丁度ロシア・ウクライナの問題があった時期なのでそれに関連した問題が出るかなと思っていてちょっと勉強していました。そして、見事に出題されました。

ただ、私が思っていたような問題ではなかったので勉強した意味はありませんでした。結局本試験では答えがわかりませんでした(答えはわかりませんでしたが消去法で正解できました)。

時事といっても範囲が広いですし、時事と言いつつ歴史を絡めたりした選択肢を交えてくるので、ちょろっと勉強して身に着けた知識では解けない問題も多くなっています。勉強して暗記勝負しようとしても無理があります。

なので、時事問題対策を頑張るよりかは、先程記載したように政治経済の頻出事項や個人情報保護の確実に出るところを押さえる勉強をした方がいいと感じます。

頻出事項を押さえる意味でも過去問はぜひやっておきたいところですし、問題を解くコツを掴む意味でも過去問にチャレンジしておくのがいいのかなと思います。

知識で問題を解くというよりは、選択肢を読むと明らかにおかしいものが何個かあるなとわかったりするものなので、そうしたことに慣れる意味でも過去問が有効です。

問題文・選択肢を読む力を鍛えることで正答率を上げることができるかと思いますので、慣れるためにも過去問をやっておきましょう。

一般知識問題では確実に正解できる文章理解の問題をじっくり取り組む

行政書士試験は時間が足りなくなるような試験ではないので(余裕があるわけでもありませんが)、1問1問じっくり解いていくことも可能です。

私は一般知識で絶対に足切りになりたくなかったのと、点数を確実に取る意味でも時間さえかければ誰でも正解が導きだせる文章理解問題を一番最初に解くようにしていました。

この文章理解は3問出題されます。

時間が無い中で焦って解くと間違えてしまうかもしれませんが、十分に時間をかけてじっくり解けばほとんどの方が正解できる問題だと思いますので、ここで確実に3問取るためにも試験の序盤に解くことをおすすめします。

ここで確実に3問、最低でも2問正解し、過去問などの頻出事項で1問~2問正解できれば、この時点で4、5問正解できている状態かと思います。

後は勘でもなんでもいいので1,2問正解できれば足切りは免れます。

一般知識問題は答えがわからなくても「この選択肢なんとなくおかしくない?」っていうのを感覚的に消していって残ったやつを選ぶだけで正解できたりするので、とにかく粘り強く諦めずにしっかり問題文と選択肢を読んで答えを選ぶようにしてください。

ちなみに、私は文章問題で時間がかかりすぎて時間が足りなくなった場合の対策も念のため考えており、商法・会社法のところは時間切れで仮に全問勘でマークすることになってもいいように最初からマークする数字を決めておきました。

本試験では全問時間内に解くことができたので大丈夫でしたが、心配事項に対応するリスク対策をしておくと良いでしょう。

個人情報保護法は得点源にできるだけでなく合格後も知っておいた方がいいからやっておく

個人情報保護法も毎年1問か2問出題されます。

これは先ほど記載した通り範囲が狭いですし、似たような問題・箇所からの出題ばかりですので確実に1問は取れる分野です。

行政書士試験合格後の実務でも個人情報保護法は知っておいて損はないので、ここは捨てずにしっかり勉強して得点源にしましょう。

文章理解が苦手なら公務員試験対策本で対応

もし時事問題なども含めて何か市販の参考書で勉強したいということであれば、公務員試験の参考書を活用するのも良いでしょう。

時事問題であれば、速攻の時事で勉強されている方もいらっしゃるようでした。行政書士試験の時事問題とは傾向が違うのでそこまで役に立つとは思いませんが、時間的に余力があれば見ておいても良いでしょう。

ただ、あくまで時間に余力があればであり、個人的にはこの辺りの対策をやるのはおすすめしません。

それよりも、もし文章理解問題が苦手で時間をかけても正解できるか不安という方がいらっしゃるようであれば、この3問はコツさえ掴めば必ず正解できるので、ここの対策をやっておいた方が良いです。

そして、公務員試験でも文章理解問題は出題されるので、公務員試験用のものを購入し、練習しておくのがよろしいかと思います。

しつこいようですが、文章理解は落ち着いて問題にあたれば誰でも解けるボーナス問題であり、出題側もここで3問(最低2問)くらいは正解できるでしょ、という感じで問題作っているように感じます(あくまで私個人の感想です)。

予備校の本試験採点サービスに出した際に見ることができる各問題の正解率を見ても、多くの方が文章問題は正解しているので、ここは落としてはいけない問題です。どの年度の試験もこれは変わらないです。

そのため、不安に思う方や苦手にされている方がもしいらっしゃれば、公務員試験用のでもいいので少しは勉強しておきましょう。

ここで3問、最低でも2問は確実に取りましょう。苦手な方でもコツさえ掴めば得点源にできる問題です。

また、調整書士試験そのものが知識を問う問題よりも国語力を試すような問題が多いので、文章問題を解くレベルが上がると全体の点数UPに繋がるかもしれません。

公開模試の一般知識は難しいらしいので点数は気にしなくていい

私は各予備校がやっている公開模試というものを受けたことがないのでわからないのですが、模試の一般知識の問題はかなり難しいらしいです。

問題の傾向、選択肢の作り方などが本試験のそれとはまったく異なり、知識がないと解けないような問題が多いみたいなので、公開模試の一般知識の点数が低いからといって変に焦る必要はないと思われるということを念のために記載しておきます。

それよりも、過去問を見てどのレベルの問題が出ているのかを知っておくのが良いと考えます。

一般知識対策に時間をかけすぎないよう注意

一般知識は範囲が無限大なので変にハマってしまって肝心の行政法や民法の勉強が疎かになるというリスクがあります。

なので、足切りを回避できればいいと割り切って勉強をしましょう。

過去問をやることで頻出事項を押さえることと問題を解くことに慣れることができるので、過去問をやっておくぐらいの感じでいいのかなと思います。

余力があれば、市販本をやってみたりするのもいいでしょう。

予備校や通信講座を使っている方はそれらのカリキュラムに従えば問題無いと思います。

文章理解で3問、個人情報保護で最低1問、政治経済頻出事項で1問、情報通信で1問、これで6問正解です。そう考えると6問正解は難しく無いことがわかると思います。

時事問題も明らかにおかしい選択肢を排除できれば勘でやっても少なくとも1問以上は正解できます。現実的には一般知識領域は全体で9問ぐらいは正解できるところです。

一般知識ができるかどうか不安になる気持ちもよくわかりますが、本丸の行政法・民法の勉強が疎かにならない程度に勉強を頑張りましょう!

執筆者情報

東京都行政書士会所属 行政書士 樋口智大

アロー行政書士事務所の代表行政書士。
ドローン飛行許可申請の代行や酒類販売業免許申請の代行、サポートを行っている他、自身で会社を設立し起業した経験を活かしたビジネス支援も行っています。
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