建設業許可は取得したらそれで終わりではありません。許可を維持していくために必要な手続きが多数あります。
その中の一つに、決算変更届があります。
このページでは、決算変更届とはそもそも何なのか?提出しないと何かペナルティーはあるのか?作成にあたりどのような書類が必要になるのか?など、決算変更届のポイントについて解説していきたいと思います。
なお、アロー行政書士事務所では、建設業者様の決算変更届の作成・提出のサポートを行っております。東京都内や立川、国立、昭島、青梅、日野、八王子などの多摩方面、埼玉、神奈川等の近隣他県の建設業許可業者様で、決算変更届でお困りでしたら気軽にご依頼ください。
当事務所では期日管理等も行っておりますので、次回以降の決算変更届も手間なく提出が可能です。
決算変更届とは?提出は義務?
決算変更届とは、簡単に記載すると、その年度(期)の決算内容や工事経歴を報告するものです。1年間の事業報告書のようなものとお考え下さい。
建設業許可業者は、事業年度終了後4カ月以内にこの決算変更届を提出することが義務付けられています。例えば決算が9月末なのであれば、1月31日までに提出する必要があります。
税務申告で使用した書類を活用して作成していくことになりますが、決算日から2ヵ月程度で申告が完了することを考えると、この決算変更届の作成に避ける期間は最大2ヵ月程度であると考えられ、意外と時間的余裕はないためご注意ください。
決算「変更届」という名称から、変更がなければ提出不要と勘違いする人もいるが、提出は必須
「変更届」という名称から、何か変更があった場合のみ出す書類だと勘違いしている方もいらっしゃるのですが、そうではありません。変更内容を届け出る類の書類ではなく、毎事業年度提出が義務付けられた書類です。
初めて許可を取得した建設業者様が決算を迎えた際に、この決算変更届を出し忘れるケースは意外と多いためご注意ください。
提出を怠ると、許可の維持や建設業許可業者としての事業運営に大きく影響します。
建設業許可業者における決算変更届の重要性
建設業許可業者において、決算変更届の提出は、許可の維持に欠かせない重要な手続きです。
決算変更届を怠った場合、「六月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。」との記述があります(実際に提出を怠ってすぐ罰則を受けるケースは稀だと思いますが)。
また、この届出を怠ったままにしておけば許可の更新や業種の追加ができません。
さらに、決算変更届が適切に提出されないと、公共工事の入札参加資格にも悪影響が及ぶ可能性があり、信頼性の低下や事業機会の喪失につながります。
つまり、決算変更届の提出は、建設業者としての信用を守り、安定した事業運営を続けるためにも欠かせない重要な義務といえるでしょう。
近年、コンプライアンス意識の高まりから、決算変更届を出していない事業者への発注はリスクがあるとして、控えるケースもあります。決算変更届の提出の有無は簡単に調べられますので、あなたの事業を安定させる意味でも、しっかりと提出するようにしましょう。
決算変更届を出し忘れていたら
決算変更届を出し忘れてしまっていたとしても、過去分を提出することは不可能ではありません。
ただ、期限を過ぎた提出はその旨が決算変更届に記載されてしまいますので、後から提出することが可能であるとしても、期日を守らないメリットはありませんのでご注意ください。
なお、提出を忘れてしまったからといって、即罰則、許可の取り消しということにはならないと想定されますが、指導を受けることは避けられない可能性があります。
出さないままにしている方が問題なので、もし気が付いたタイミングが今であれば、すぐに対応するようにしましょう。更新時に慌てて5年分まとめて提出なんてことになるととてもやっかいですし、期限に間に合わない可能性もあります。もし気が付いたならば早く手を打ちましょう。
過去の書類を掘り起こすのも大変ですので、少しでも早く着手した方が良いと考えます。
自分で進めるのが難しい場合、当事務所にご依頼いただければと思います。
決算変更届の作成と必要な書類は?
決算変更届の作成にあたって大変なのは、添付書類を集めること、作成することです。具体的には、次のような書類を作成、集めることとなります。
- 決算変更届表紙
- 財務諸表(貸借対照表・損益計算書・完成工事原価報告書・株主資本等変動計算書・注記表・付属明細表)
- 工事経歴書
- 直近3年の各事業年度における工事施工金額
- 事業報告書
- 納税証明書
決算変更届表紙
管轄ごとで様式が異なりますので、各都道府県に合わせたものをつける必要があります。
財務諸表
事業年度終了日から2ヵ月程度で決算書が出来上がるかと思いますが、その決算書をもとに、決算変更届用の財務諸表を作成していきます。
具体的には、以下の書類が必要です。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 完成工事原価報告書
- 株主資本等変動計算書
- 注記表
- 付属明細表
等
税理士の先生が作ってくれた決算書とは異なりますのでご注意ください。建設業用に作り直す必要があります。
工事経歴書
工事経歴書は、該当年度の工事について、業種ごとに記載していきます。
すべての工事実績を記載する必要はなく、完成工事請負金額の70%を記載するというのが一般的です。
都道府県により異なる可能性はありますので、ご自身が所属するルールに則って作成してください。
その他、配置技術者の書き忘れ、記載ミス(整合性が取れない等)などにもご注意いただくほか、経審を受けるか受けないかで記載が少し変わります。
なお、工事実績がなくても提出の必要があります。
直近3年の各事業年度における工事施工金額
直近3年分の事業年度ごとの工事金額を提出する必要があります。
工事経歴書同様に、業種ごとに記載します。
また、元請・下請の工事の区分があります。
事業報告書
事業の業績や資産状況についての概況、状況の説明文書の記載が求められます。
作成自体はそれほど難しくはないのですが、都道府県により様式が違う、あるいはフォーマットが定まっていないため、何をどうすればいいのか迷うケースもあるかもしれません。
基本的に、事業の概況がわかればよいため、それらを意識した作成を行います。
納税証明書
納税証明書を添付します。
知事許可と大臣許可で違いがあり、都道府県知事許可の建設業者は都道府県税の納税証明書を添付し、国土交通大臣許可の建設業者は国税納税証明書を添付します。
決算変更届の作成は税抜き金額で作成しておいた方が良い?
決算変更届は税抜き金額で記載しておいた方が良い、ということを聞いたとおっしゃる建設業者様もいらっしゃるようなのですが、経営事項審査(経審)を受けるのであれば、税抜きで作成する必要があります。
経審を受ける際はそれに応じたルールがあるため、公共工事の入札申請を検討しているケースでは、税抜きで作成してください。
なお、経審は考えておらず、単に建設業許可が維持できれば良いという場合は、税込みでも問題ありません。
経審を考えているケースではご注意ください。
決算変更届が面倒、作成に困っているなら行政書士に相談も
このページでは、決算変更届を提出することの重要性と作成に必要な書類について解説しました。
建設業許可を維持することはもちろん、信頼を失わないためにも、必ず決算変更届の提出はしてください。
作成が面倒、期限を忘れてしまうなど、なかなか自社で管理・作成ができないという建設業者様もあるかと思います。
その場合、行政書士を利用することも検討してみてください。
行政書士によるところはありますが、決算変更届や更新などの期日管理まで行ってくれる行政書士は一定数いるため、負担を軽減するためにも、相談してみることをおすすめします。
アロー行政書士事務所でも、決算変更届はもちろん、更新申請、業種追加など各種建設業許可関連の申請代行・サポートをしております。
この機会にご相談いただければ幸いです。
建設業許可申請代行のページにサービス等の詳細を記載しておりますので、合わせてそちらのページもご覧いただければと思います。
アロー行政書士事務所は東京都の西川・多摩方面(立川市・国立市・八王子市・昭島市・青梅市・東大和市等)や埼玉県・神奈川県に対応
決算変更届も含め、建設業許可関連の申請サポートに関して、アロー行政書士事務所では東京都や埼玉県、神奈川県の申請に対応しています。
特に、多摩方面(立川・日野・八王子・国立・青梅・昭島・東大和・福生市・等)の建設業許可申請に力を入れています。
お困りでしたらぜひお問い合わせください。