ドローン民間資格による許可申請の簡略化が廃止されると民間資格は意味がなくなる?国家資格が必要?

2025年12月以降、ドローンの民間資格を用いた許可承認申請時における手続きの一部簡略化が廃止予定です。

もっとも、手続きの簡略化といってもほとんど簡略化できる部分はなく、むしろ民間資格をDIPSに登録する方が手間なのでは?と思う状況だったため、簡略化があってもなくてもさして申請の労力は変わらないかもしれません。

ただ、そうなると、民間資格は持っている意味がなくなってしまうのか?と不安に思う方もいらっしゃるかと思います。

また、国家資格がないとドローンが飛ばせなくなると思っている方もいらっしゃるようなので、ここでは民間資格による手続き簡略化の廃止についてと国家資格の必要性について見ていきたいと思います。

民間資格による申請手続きの簡略化は廃止されるが民間資格そのものが廃止されるわけではない

冒頭に記載したとおり、2025年12月以降、飛行許可申請時における、操縦者に一定の技能があることを証明するための手続きを一部簡略化する制度が廃止される予定です。

飛行許可申請における技能の証明に関しては、今後、国家資格に一本化したいという意向があるものと考えられます

ただし、民間資格そのものがなくなってしまうということではありませんので、その資格を発行する団体がなくなるあるいは廃止されるなどしない限りは取得した資格はそのまま存在します。

なお、許可申請における手続きの簡略化が廃止されるといっても、許可申請において簡略化できる部分は実質ほとんどなく、むしろ民間資格を登録する方が面倒なのでは?という声もあるくらいなので、多くの方はそれほど申請の手間という意味ではデメリットがあるわけではないかもしれません。

民間資格を持っていることで、対外的に技術力があることを証明することは今後も可能

許可申請においては効力がなくなる予定ですが、ドローンのお仕事を受注するにあたってなど、対外的な部分では民間資格を保有していることで、一定の技術力があることを証明することができ、必ずしも意味がなくなるわけではありません。

どのような民間資格をお持ちかにもよりますが、高い技能が証明できる民間資格をお持ちであれば、資格そのものを廃止するものではありませんので、民間資格を保有する意味がなくなるわけではありません。

案件の受注にあたって民間資格ではなく国家資格の有無を問われるケースが増えているのは事実

ドローンのお仕事を依頼するにあたり、操縦者に対して民間資格ではなく国家資格を持っていることを条件とする場合があることが増えています。

そのため、民間資格を持っていること自体の意味がないわけではありませんが、お仕事の内容によっては国家資格の取得を目指す必要があるのも事実です。

逆に言うと、国家資格を取得する意味合いが高まってきています。

国家資格がないとドローンが飛ばせなくなるわけではない

今後は、国家資格を取得しないとドローンが飛ばせなくなると思っている方が一部いらっしゃるようなのですが、そのようなことはありません。

レベル3.5飛行やレベル4飛行など、国家資格が必須となる一部の特別な飛行内容を除いて、資格がなくてもドローンを飛ばすことは可能です。民間資格も当然不要です。

今でも特定飛行に該当する飛行をするにあたっては国家資格が必須だと勘違いしている方はいらっしゃるのですが、無くても許可申請をすれば飛行可能です。

機体認証制度が進むと国家資格取得のメリットが更に高まっていく

国家資格二等を持ち、第二種機体認証の機体であれば、今後は許可承認不要でカテゴリーⅡBの飛行が可能となります(最大離陸重量25kg未満の機体)。

飛行計画の通報や飛行日誌、飛行マニュアルの作成は今後も必要ですが、いわゆる包括申請をする手間が省けるのは大きなメリットでしょう。

とはいえ、機体認証が全然進んでいないため、現時点ではこのメリットは薄い状況です。

国家資格の必要性については以下のページをご参照ください。

民間資格による手続きの簡略化は廃止されるが国家資格が必須になったわけではない

民間資格による飛行許可申請の手続き簡略化が廃止されると、国家資格が必須になると勘違いしている方もいらっしゃいますが、国家資格が必須になったわけではないことなどを説明させていただきました。

また、民間資格そのものがなくなってしまうわけではありません。

ただ、ドローンの案件を受注するにあたり、国家資格の有無が問われるケースが増えているのは間違いないため、人によっては国家資格取得を目指すメリットが高まってきていると言えるでしょう。

国家資格を取得する過程で、ドローンに関わる基本的な法令を学ぶことができますので、リスクを低減するという意味で、国家資格取得を目指すことを検討するのも悪くありません。

ご自身がどのようにドローンを活用していくのか、それを整理し、国家資格を取得する必要があるのかどうか判断していきましょう。

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執筆者情報

行政書士 樋口智大

アロー行政書士事務所の代表行政書士。
ドローン飛行許可承認申請や建設業許可申請、産業廃棄物収集運搬業等の許可申請や契約書作成業務を行っています。また、自身で会社を設立し起業した経験を活かしたビジネス支援も行っています。行政書士資格の他、宅建士やドローン検定1級などに合格しています。ドローンはDJI Mini 3を保有し、撮影しています。
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行政書士登録番号:24080257