ペット送迎・タクシーを行うには貨物軽自動車運送事業の届出(黒ナンバー)などをしないと違法になる?許可は不要?

ペットの送迎・輸送を行っているペットサロン・ペットホテルなどの事業者は多くありますが、中には許可・届出を得ずに有償でのペット送迎を行っているケースがあります。

これは違法となるおそれがあります。

全工程が完全無償であれば大丈夫であると予想されますが、ペットを輸送するにあたって金銭の受け取りがある場合は許可・届出が必要となりますので注意する必要があります。

ペットは法律上の物(モノ)に分類される

ペットは生き物であり家族の一員として一緒に過ごしているご家庭も多いのですが、法律上は「モノ」として扱われます。

その法律上の「モノ」を運ぶことで報酬を得る行為は運送業に該当し、運送業を行うには国土交通大臣から適切な許可を得る必要があります。

そのため、自動車を使ってペットの送迎などを行っているペットサロン事業者の方々は状況に合わせた適切な許可・届出が必要となります。

ペット送迎を行うにはどんな許可・届出が必要か?

ペットサロン事業者がペットの送迎を行うにあたりどのような許認可が必要になるかは使用する車両によって異なりますが、基本的には「貨物軽自動車運送事業の届出」を行うケースが大半です。

いわゆる黒ナンバーです。

これは比較的小さな荷物の運送を行う事業者が取得します。軽貨物自動車(軽自動車等)1台から事業を開始できることや軽自動車以外の小型貨物自動車・普通貨物自動車で必要となる「一般貨物自動車運送事業の許可」などに比べて取得のハードルがかなり低く、取得後の規制も厳しくないため無理なく続けていくことができます。むしろ一般貨物自動車運送事業の許可は一般的なペットサロンでは要件を満たせず、取得できないかと思いますので、貨物軽自動車運送事業者として行う必要があると考えます。

一般貨物自動車運送事業の許可は要件がかなり厳しくハードルが高い(送迎車両5台や整理管理者確保等)ので、ペット送迎を行うにあたっては「貨物軽自動車運送事業の届出」を行うのが現実的であり、大半の事業者がそのようにしています。

どのような許可・届出が必要になるか確認し、必要性に応じた許可・届出をしましょう。

ペットサロンのサービスは有償だけどペットの送迎・ペットタクシー自体は無料でやっているから届出や許可は不要?

冒頭にペットの送迎等全工程が完全無料であれば届出は不要であることを記載しました。

ただ、ペットサロンのサービス自体は有償で提供されていて、ペットの送迎部分では特に料金を取っておらず無料であるというケースにおいては、通常料金の中に送迎費用も含まれていると解釈することもできるため、そのような場合であっても届出が必要であると考えた方がよいでしょう。

施術代などの本業務に含んでいると考えられるため、実質的には料金が発生していると捉えられるため届出を行っておく必要があると考えます。

今まで知らずに届出無しでペット送迎をしていて何も問題が起きていないから大丈夫では?

大丈夫ではありません。

今すぐに届出を行いましょう。

国の機関の調査や同業者・お客様からの通報により発覚するケースもありますのでご注意ください。

私も実家で猫を飼っておりましたが、もし自分の大切なペットの送迎を行う業者さんがしっかりと届出をしていなかったらと思うと怖いです。もう二度と利用したくないなと思うのはもちろんですが、大きなマイナスイメージとなってしまいます。

また、無許可・無届の違法状態で事故を起こしてしまった場合は保険がおりない可能性があります。当然違法行為ですので罰金などもあります。あなた自身にも大きなデメリットがあります。

事業を行うあなただけでなく、多くの関係者に迷惑がかかりますので、必ず必要な許可や届出を行うようにしてください。

違法にペット送迎・タクシーを行った場合の罰則

先程少し記載しましたが、許可・届出を行わず、法律に違反した場合は当然罰則があります。

貨物軽自動車運送事業の場合で行くと、貨物自動車運送事業法の第七十六条によると100万円以下の罰金となることがわかります。一般貨物自動車運送事業の許可で違反していると3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金となります。

お客様に迷惑がかかるのはもちろんなのですが、あなた自身の今後の事業運営や社会生活で不利益を被るおそれがありますので、気を付けたいところです。

貨物軽自動車運送事業の届出をお考えなら行政書士の代行も

ペット送迎を行うにあたり貨物軽自動車運送事業の届出をしようとお考えの方は行政書士に相談されると良いでしょう。行政書士であれば代行が可能です。

貨物軽自動車運送事業の届出であれば代行の料金もそう高くありません。55,000円~(消費税込)前後で行っているところが多いでしょう。
※別途車検証やナンバープレートの交付等で費用がかかります。

ご自身で行うことも可能ですが、届出自体はやや複雑です。

車両要件含めて体制がしっかり整っているかを確認し、書類を集めて届出書に記載する必要があります。

何から手を付けていいのかわからないといったケースもあるかと思いますので、届出でお困りでしたら気軽にご相談ください。

アロー行政書士事務所で届出のサポートを行う場合、税込55,000円~となりますが、お話をお伺いし、お見積りを提出させていただきます。

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執筆者情報

行政書士 樋口智大

アロー行政書士事務所の代表行政書士。
ドローン飛行許可承認申請の代行や建設業許可申請、産業廃棄物収集運搬業の許可申請を行っている他、自身で会社を設立し起業した経験を活かしたビジネス支援も行っています。行政書士資格の他、宅建士やドローン検定1級などに合格しています。ドローンはDJI Mini 3を保有し、撮影しています。
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