古物商許可を法人が申請する際の必要書類や費用について行政書士が解説!

近年、副業で物販等をするために、個人のサラリーマンが古物商許可取得を目指すケースが増えているのはご存じのことと思いますが、法人が古物商許可を取得するケースは多くなっています。

買取店・買取サービス等の古物営業に関する事業を新規で展開をする企業が増えたということもあるのですが、ビジネスの多様化やSDGsも関連した環境への取り組みが関連するケースなど、さまざまな視点から古物商許可が必要となる場面が増えています。

このページでは法人でも需要が高まっている古物商許可申請について解説していきます。

法人の場合、必要となる書類が多くなる他、定款や登記事項の確認も必要となるため、一定の注意が必要です。

アロー行政書士事務所では、法人向けに古物商許可申請の代行サービスを提供しております。相談は無料ですので、法人で古物商許可申請をお考えの方はぜひご相談ください。
また、古物商許可申請とあわせて申請することの多い、産業廃棄物収集運搬や建設業関連の許認可など関連する申請にも対応しております。近年はドローン関連の事業でも古物商許可申請をするケースがございますが、当事務所ではドローンの許可申請も行っております。法人が古物商許可を必要とするケースにおいては、広い視野で対応が可能ですので、ご相談いただければと思います。

料金などを含めた古物商許可申請代行サービスの詳細については、サービスページをご覧ください。

法人が古物商許可を必要とする例

着物やブランド品の買取など、わかりやすい形で古物営業をしているケースももちろん多いのですが、最近多いのは、建設業者や産廃業者が古物商許可を取得するケースが増えています。

建設業者のケースで行くと、例えばエアコン設置工事にあたり、古いエアコンを下取りして値引きするケースなどにおいては、古物商許可が必要な場合があります。

廃棄物を収集する業者でも、産業廃棄物収集運搬許可に加え、古物商許可が必要なケースがあります。遺品整理や相続関連のサービスを提供する事業者でも産廃+古物商許可申請をするケースがあるでしょう。

近年のリサイクルへの意識の高まりから、古物商許可が必要な事業形態になる法人は増えており、ご相談が増加しているように思います。

古物商許可も含めた複数の許認可が必要な場合が多いため、法人で古物商許可を取得する場合はご相談いただければと思います。

以下参考記事を載せておきますので、興味がある方はご覧ください。

法人が古物商許可申請をする際に必要となる書類について

古物商許可申請をするにあたって求められる資料について見てみましょう。

資料名個人事業主法人
許可申請書類一式
法人登記事項証明書
定款
身分証明書
本籍が記載された住民票
誓約書
略歴書
URL使用権原の疎明資料
申請手数料
※必須書類一覧。なお、各警察署、担当者、ビジネスの態様ご状況により追加資料が求められることがございます。

これらが必要書類の一覧となりますが、色がついたところが個人の場合と法人の場合とで大きく異なるものです。

法人ならではの書類が求められる上に必要な通数も多い

決定的な違いは、法人の場合は、「登記簿謄本」と「定款」が必要となることです。

また、オレンジ色で記載した項目は、個人事業主の場合は基本的に自分の分だけ(管理者が別であれば管理者も)でよかったものが、法人に関しては、代表者・役員・管理者の全員分のものが必要となり、通数が多くなります。

いずれの書類も、法務部があるような法人であれば問題なく揃うかと思うのですが、中小規模の法人の場合、メンテナンスができておらず、申請時に困ったことになるケースもあります。

管轄の警察署により求められることがある資料

上記はあくまで法定書類です。

管轄の警察署や地域、取り扱う古物によって、追加書類が求められることがあります。

代表例として、賃貸物件の使用承諾書の提出があげられます。現在、使用承諾書の提出は必須ではなくなっているものの、警察署(地域)によっては営業所の使用承諾書の提出が求められます。

もっとも、法人であれば事業用で物件を借りているはずなので、基本的に問題はないと思いますが、個人事業主の場合は居住用賃貸で始めようとする方も多いため、地域としてトラブルが多いケースなどでは使用承諾書の提出が必須のケースがあります。

また、取り扱う古物の種類によっては、自動車保管場所の賃貸借契約書や使用承諾書、平面図・周辺図が求められることがあります。

このあたりは警察により異なりますので、ご注意ください。

定款や登記の状態が適切ではない場合が多く、注意が必要な会社は多い

「定款」と「登記事項証明書」は提出すればそれでOKということではありません。

定款の事業目的に古物営業に関することが記載されていないことがある

定款とは、ざっくり説明すると会社のルールが記載されているものであり、会社にとっての憲法とも呼ばれるものです。

ここには、会社としてどのような事業を行うかが記載されています。

定款の事業目的の項目に、古物営業に関する記載がないと、基本的に許可されないため、定款が適切かどうかは事前に確認するようにしてください。

どのように記載するかは会社により異なりますが、古物営業法に基づく古物商や具体的に販売する品目(書籍の買取と販売等)を記載しているケースが多いかと思います。

役員の10年の任期切れなどメンテナンスがしっかりとできていない

会社設立をしたことがある方ならわかるかと思いますが、定款で役員の任期を定めています。私も自分で会社を設立したことがありますが、任期は10年で設定しております。中小規模の法人の場合、社長と数人の社員という場合が多いかと思いますが、10年後まで社長がしっかり覚えていないケースも多くあり、忘れて放置になってしまっている状況も一定数ございます。

こうした手続きを怠った状態で申請をしてもダメですので、必ず事前にチェックするようにしましょう。

役員の任期に関しては、定款と登記簿謄本を合わせてみればわかるケースが大半かと思います。

なお、登記は司法書士の先生の専門なので、もし古物商許可申請に伴って登記関係の手続きが必要になる場合は、司法書士に依頼をするか、こちらでご案内するか、あるいはそれほど難しい変更ではないためご自身でやっていただくことも可能かと思います。

定款等が適切ではないが急ぎ古物商許可申請をする必要がある場合はどうする?

定款や登記事項の内容が最新の状態ではなく、変更手続きの必要がある場合において、確認書という書類を警察署に提出することで、現在時点の定款や登記事項証明書で受付をしてくれる場合があります。

ただ、警察署ごとによってルールが異なるため、管轄の警察署に事前に確認をする必要があります。

代表者だけでなく役員全員・管理者についても欠格事由を確認する

欠格要件に該当すると許可は下りません。

欠格要件とは、簡単に記載すると、過去に犯罪歴や破産歴がある方や暴力団関係者等です。

個人事業主であれば自分のことなのですぐわかるのですが、法人の場合、役員全員について確認する必要があります。

役員の人数は会社により異なりますが、規模が大きい会社さんですと、全員分調べるのはかなり大きな労力がかかると言えます。また、センシティブな問題なので、調査自体も気を使います。

一緒に働く仲間ではありますが、過去の経歴については意外と把握できていないということもあり、意外なことが発覚するケースもあります。

欠格要件に該当するケースはあまり見かけないのですが、ゼロではありませんので注意はした方がよろしいでしょう。

犯罪歴がわかってしまった場合など、何となく気まずいなと思うこともあるかと思います。

かなりセンシティブな問題であり、今後一緒に働いていく上での人間関係という意味でも一定の注意が必要です。

申請手数料は法人も個人も変わらないが書類収集にかかる費用は増加する

警察署で支払う申請手数料は19,000円であり、これは個人でも法人でも変わりありません。

ただ、冒頭で記載したとおり、身分証明書や住民票など、役所から取り寄せる必要がある書類に関しては役員全員分が必要なので、その分のコストは大きくかかってきます。

また、行政書士等に代行依頼する場合、法人の方が手続きの手間がかかるため、個人の申請よりも料金が高い傾向にあることに注意は必要です。

法人が古物商許可取得を目指す際は行政書士への依頼も検討してみる

古物商許可申請にあたては、行政書士に申請代行を依頼するのも有りだと思います。

代行費用は掛かってしまいますが、面倒な申請書の作成から身分証明書・住民票を役員全員分取得するところまで行政書士が代わりにやってくれます。

また、定款の書き換え(事業目的等)が必要になった際は、行政書士にどのような記載にすればいいかなどアドバイスをもらうことができます。

予算との兼ね合いもあるとは思いますが、法人の古物商許可申請はぜひ行政書士へ依頼することも検討してみてください。

アロー行政書士事務所の特徴を古物商許可について

アロー行政書士事務所は古物商許可申請のサポートの他、建設業許可申請や産業廃棄物収集運搬、ドローン飛行許可申請などを行っています。

建設業許可業者が古物商許可と産廃収集運搬を取得するケースは一定数ある

一見すると、建設業も産廃業もドローンも古物営業とは関係ないように見えるかもしれませんが、意外と密接に関連しています。

訪問出張買取等で引き取りを行う際に、ケースによって産業廃棄物収集運搬許可が必要になる場合があります。建設業関連では特に必要となることがあります。

例えば、エアコン設置工事にあたっては、取り外した古いエアコンを持ち帰るにあたり、産業廃棄物収集運搬業許可を持っている必要がある他、取り外した古いエアコンを廃棄物ではなく古物として買取る場合には古物商許可が必要な場合があります。

こうしたケースにおいては、建設関連の許可・届出と古物商許可などをセットで申請することがあります。

ドローンの中古販売などが出てきた

また、近年はドローンの中古の売買・レンタル等もあります。

それほど数は多くありませんが、ドローン自体の需要が増えているので、中古品が出回ることも理解できる話となります。

ドローン自体の法整備が現在進行形で進んでいるので、古物商許可とは別のところで注意が必要になるケースもあるので、専門家を頼る意味合いというのはあるものと思います。

これらはあくまで一例ですが、古物商許可を必要とするビジネスにおいてはさまざまな許認可が密接に関連しているため、事業で古物商許可申請を取得する際は、ぜひ行政書士にご相談いただければと思います。

アロー行政書士事務所の法人の古物商許可申請代行の報酬額

古物商許可申請の料金表は、古物商許可申請代行サービスページよりご覧ください。

法人の場合はお見積りとなりますので、まずはお問い合わせいただけましたらと思います。

執筆者情報

行政書士 樋口智大

アロー行政書士事務所の代表行政書士。
ドローン飛行許可承認申請や建設業許可申請、産業廃棄物収集運搬業、古物商許可等の許可申請を中心に行っています。また、自身で会社を設立し起業した経験を活かしたビジネス支援も行っています。行政書士資格の他、宅建士やドローン検定1級などに合格しています。写真撮影に凝っていた時期がありドローンもその一環でよく飛ばしていました。
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所属:日本行政書士会連合会、東京都行政書士会
行政書士登録番号:24080257