エアコン設置工事で必要な許可は?古物商許可や産業廃棄物収集運搬・電気工事業登録・第一種フロン類充填回収業者登録・建設業許可などエアコン設置や回収で必要な許可申請について解説

エアコン設置工事では必要となる許可や届出が意外と多くあります。

このページでは、エアコン設置工事業者となるために必要な許可や届出について解説していきます。

アロー行政書士事務所では、古物商許可申請や電気工事業登録、産業廃棄物収集運搬など各種許認可申請や届出の代行サービスを提供しております。

許可申請でお悩みでしたらぜひご相談いただければと思います。

なお、本ページは法律の専門家向けの解説ページではないので、根拠法令や条文をそのまま載せるのではなく、わかりやすくするためにあえて簡易な記載をしておりますがご了承ください。

エアコン設置工事業者に必要となる許可一覧

はじめに、エアコン取付工事を行うにあたり、どのような許可や届出が必要になる可能性があるか見ておきましょう。

  • 電気工事業登録
  • 産業廃棄物収集運搬業許可
  • 古物商許可
  • 建設業許可(管工事業、電気工事業)
  • 第一種フロン類充填回収業者登録

必ずしもこれら全部が必要になるわけではありませんが、検討する必要があるものとなります。

それぞれの許可について見ていきましょう。

エアコン設置工事には電気工事業者登録が必要

エアコン設置工事をするなら、電気工事業登録が必要です。

ここでいう「電気工事業登録」とは、「建設業許可における電気工事業」とは違うものです。

建設業許可における電気工事業は、500万円以上の工事を請負う場合に必要なものとなります。

エアコン設置業者様の場合、500万円未満の工事のみである場合も多いかと思いますので、基本的に電気工事業登録を行うことで、エアコン設置工事ができるようになります。
※建設業許可業者の場合でもみなし登録電気工事業者となる必要があります。

この電気工事業登録はハードルがそれなりに高く、過去の経験とお持ちの資格の状況によっては新規で独立して届出をしようと思った際に、要件が満たせないことがあります。申請にあたりよくわからない場合はご相談いただければと思います。

取り外したエアコンを廃棄物として回収するには産業廃棄物収集運搬業許可が必要

取り外したエアコンをそのまま置いていくということはなく、基本的に回収するケースが大半だと思いますが、回収をするのにも許可が必要です。具体的には、産業廃棄物収集運搬業許可が必要となります。

廃棄物は、大まかに分類すると、「一般廃棄物」と「産業廃棄物(事業活動に伴って生じた廃棄物)」に分けられますが、この産業廃棄物収集運搬業許可(産廃許可)は後者のゴミを回収するのに必要な許可となります。一般家庭のゴミであれば、一般廃棄物収集運搬業許可が必要です。

ただ、この一般廃棄物収集運搬業許可は、新たに新規で許可を出すことはほとんどありません。許可取得することはほぼ不可能に近い状況です。

そうなると、一般家庭のエアコンの回収はできないのではないか?と思うかもしれませんが、回収が可能なケースはもちろんあります。

小売業者(家電量販店等)からの依頼でエアコンの取付・回収であれば産業廃棄物収集運搬業許可で一般家庭からも回収ができる

エアコンの取付・回収が必要となる工事案件は、小売業者からの依頼というケースが多いかと思います。

この場合、家電リサイクル法の特例として産業廃棄物収集運搬業許可があれば回収が基本的に可能です。

小売店から委託を受ける場合にあっては、小売店側から産廃許可持ってますか?ということで確認されますので、産業廃棄物収集運搬業の許可取得を目指すケースは多いかと思います。

この産業廃棄物収集運搬業許可も手間がかかり大変なため、ご依頼いただくケースが多くなっています。

お困りであればご相談ください。

エアコンを廃棄物ではなく有価物として回収するなら古物商許可で買取回収可能

小売業者からの依頼ではない場合で回収するケースとしては、廃棄物としてではなく、有価物として回収するケースがあり、この場合においては産廃許可ではなく、古物商許可で回収ができる場合があります。

エアコンを修理してまた小売り販売する、修理業者に販売するといった事業を行うケースもあるかと思いますし、エアコンを下取りして値引きするといったこともあるかと思いますが、この場合、古物商許可が必要です。また、この場合においては産業廃棄物収集運搬業許可は基本的に不要です。

ただ、廃棄物と有価物の区分は非常に微妙であり注意も必要です。

有価物か廃棄物かは総合的に勘案する、とされているので一概には言えないのですが、エアコンを有価物であるとして回収したものの、適切に管理をせずに放置状態となってしまうような状況だと、それは廃棄物としてみなされてしまうかもしれません。再使用の目的に適さない粗雑な取扱いは廃棄物に該当するものと判断して差し支えないこととされています。
※参考:経済産業省資料

基本的に、いろんなパターンが想定されるので、産業廃棄物収集運搬も古物商許可もどちらも取得されるケースが多いかと思います。

なお、自身が小売業者として販売する場合、小売業者としての義務にも注意が必要です。

建設業許可・経営事項審査(経審)が必要となる場合もある

冒頭でも記載しましたが、500万円以上の工事を請負う場合は建設業許可が必要です。エアコン設置工事を行う場合であれば、「管工事」と「電気工事」業種の許可が必要になるでしょう。

また、学校等の公共的な場所でのエアコン工事をするならば、経営事項審査申請・入札参加資格審査申請までする場合もあるかと思います。

建設業許可や経営事項審査に関しては、基本的に行政書士に依頼するケースが多いかと思います。

許可の維持も大変なため、ご相談いただければと思います。

第一種フロン類充填回収業者登録

第一種フロン類充填回収業者登録をすることで、大型の業務用エアコン等が取り扱えるようになります。

エアコン設置工事を1つの事業であると考えた際に、先ほど記載した建設業許可を取得していることや第一種フロン類充填回収業者登録があることは、他の業者との差別化につながり、事業拡大・信用の向上につながる場合が多いかと思います。

諸々の許可や届出お困りでしたらご相談いただけましたらと思います。

アロー行政書士事務所について

当事務所では、建設業関連の許可申請や届出、産業廃棄物収集運搬、古物商許可、ドローン飛行許可申請などを専門的に取り扱っています。

一見関係なさそうに見えるものも混ざっているかもしれませんが、本ページで記載したように、何かの事業を行う際にはさまざまな許認可が関連してきます。

最近ですとドローンを活用する建設業者様も増えておりますが、皆様の事業運営に必要な情報が提供できるよう日々業務範囲を広げております。

何かお困りのことがございましたらご相談いただければと思います。

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執筆者情報

行政書士 樋口智大

アロー行政書士事務所の代表行政書士。
ドローン飛行許可承認申請の代行や建設業許可申請、産業廃棄物収集運搬業の許可申請を行っている他、自身で会社を設立し起業した経験を活かしたビジネス支援も行っています。行政書士資格の他、宅建士やドローン検定1級などに合格しています。ドローンはDJI Mini 3を保有し、撮影しています。
ドローン飛行許可申請ガイドの運営を行っています。ぜひご覧ください。
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