人手不足な一方でドローンの仕事がなくて困っている人もいる?ドローンの採用・求人と副業・案件について考える

ドローンを購入し、ドローン操縦技能は身につけたものの、仕事がなくて困っているという人がそこそこいらっしゃるように感じます。

その一方で、建設業界や損害調査、不動産業界をはじめとして各種領域でのドローンの活用は進んでおり、現場等で人手が不足しているというお話もうかがいます。

ドローンの仕事はそれなりにあるものの、ドローンの仕事がやりたい人の中には、ドローンの仕事がないと感じるている方が一定数いらっしゃり、うまくマッチしていない現状も一部あるのかなと感じます。

採用の相談も多いため、このページでは、こうしたドローンの採用・求人・案件の現状について考えていきたいと思います。

今回は飛行許可申請とは違った視点でのお話となります。

ドローンを使う企業とドローンに興味がある人の志向性のミスマッチが一部である

ドローンで稼ぎたいと考える人とドローンを活用して発展していきたいと考える企業とでマッチしていない印象を受けるのは、企業側(発注側)はドローンありきではないのに対し、ドローンの案件を探している方々(稼ぎたい)に関しては、ドローンありきの人が多いからだと考えられます。

たとえば、建設業などであれば、ドローンはあくまで建設現場で活用するものであり、ドローンが主役ではありません。そのため、ドローンに関する知見は必要であるものの、もっと重要なのは建設業における業務の知見であり、そこに踏み込んでいける人材が欲しいと思っている場合が多くなっています。

ドローンの専門家ではなく、建設業のプロとしてドローンが操作できる人材が必要な場合が多くなっています。これは正社員の採用に関わらず、ドローンでの調査や点検等の案件を発注する際においても言えます。

一方で、ドローンで稼ぎたい人の中には、そういった建設業における知見について勉強したいと思っているわけではなく、ドローンを中心に考えてしまっている方も多いため、仕事が獲得できない人が一部発生している現状があります。

なので、どこに主軸を持っていくのか、少し意識を変えるだけでも違ってくるかと思います。

もちろん、ドローンを飛行させること自体が主軸の業務もありますので、一概には言えないものの、お話を伺う限り、こうした志向性によるミスマッチは多いのかなと感じています。

専門領域の知識がなくてもやる気があれば仕事自体はある

独立してドローンのお仕事を獲得する場合はまた別ですが、企業に雇われてドローンに関わる仕事がしたいと考える場合であれば、建設や測量、映像技術、農業などの、各業界の専門知識がなくても採用されるケースは多くなっています。

そもそも人手不足という現状があるので、育てていく意識を持っている企業は増加しています。

少しでもドローンに関わるお仕事をやっていきたいと考える場合、どの領域でドローンとのかかわりを目指したいのかを整理し、その業界に飛び込んでみるのも悪くないでしょう。

希望に合った働き方かどうかは別にして、そういった意識があるならば、未経験でもチャンスはある状況です。

有効求人倍率は高いものの本業の一部としてのドローンパイロット・操縦士の仕事が現状は大半

厚生労働省の職業紹介サイトというものがあるのですが、そちらのサイトにドローンパイロットの項目があります。

こちらのサイトにも以下のような記載があります。

ドローンパイロットのみで独立した職業としている者は少なく、本業の一部としてドローン操縦の仕事を行っている場合がほとんどである。

厚生労働省職業紹介サイトのドローンパイロット

ここまでで記載したように、現実として、各業界のメインの事業を促進するうえでのドローン活用という側面が強いため、ドローンを操縦することをメインとしたお仕事は現時点でそこまで多くないのが現実であることがわかります。

有効求人倍率も4.21倍と多く見えますが、実際に募集している求人などを見てみると、建設業や測量、撮影、農業など、人手が圧倒的に不足している現場での求人も多いことを考えると、ドローンが好きだからドローンの仕事がしたい、という方に関しては、一部の技能や知識が圧倒的に高い方を除き、思うように案件が取れないという方が多い状況になっているものと考えられます。

副業でのドローン操縦者に不安を感じる事業者も

ドローンを副業にしたいとお考えの方も多いのですが、副業の操縦者の方の中には責任感が薄い方も結構多いようで、大切な案件を任せることができないという声もききます。

近年はコンプライアンス意識の高まりから、単にドローンを飛ばせるということのみならず、法令への理解と対応、安全管理体制の理解など、知識がブラッシュアップできているかも重要です。

また、副業ということで、空いているときにしか入れないとなると、気象条件によっては飛ばせないことも多いドローン飛行も多いことから、なかなか任せにくいという現状はあるでしょう。

軽い気持ちでドローン領域に参入してくる方も増えているので、そうした方々の意識のギャップから仕事がないと感じてしまうケースもあるのかなと思います。

ドローンの操縦ではなく、アニメーションやデザイナー、開発、プログラムなどのエンジニアの需要も

ドローンの仕事と言っていいのかわかりませんが、開発系のお仕事も多いように感じます。

ここ最近はドローンショーが注目されていますが、こうした現場では、ショーの企画からデザインなども検討するため、操縦することとは違ったところでの採用需要があります。

また、プログラムを組んで飛行させることから、エンジニア等の需要もあるでしょう。

ドローンの操縦とは少し目線は違いますが、ドローンに関係するお仕事といういみでは、裾野は広がっているように思います。

ドローンの仕事はある!意外なところに需要も

ここでは代表例として建設業や測量、空撮、農業をあげましたが、その他にもさまざまなところでドローンの活用が見込まれています。

個人的に歴史が趣味で好きなのですが、歴史の研究の一環である、考古学などでも利用されています。

ドローンありきではないかもしれませんが、ドローンに関わる仕事は今後も増加していくことが予想されますので、ドローンに関わるお仕事がしたい方は掛け合わせの強みが出せるように、専門領域や得意領域を磨いておくと良いでしょう。

単にドローンの操縦ができます、ドローンが好きです、という状態ではなく、どこかの領域に踏み込んでみることも考えてみると良いでしょう。

企業側が採用を促進する場合としては、単に求人を出すのではなく、未経験でもOKなのであれば、どのようにドローンを関われるのか、働き方のイメージができるように出しておくと良いでしょう。

採用に関する支援なども以前は多く行っておりましたが、ますます採用が困難になってきています。

仕事を出す側と受ける側、双方が少し意識を変えるとうまく回るところも多そうな印象ですので、工夫を凝らしてみると良いかなと思います。

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執筆者情報

行政書士 樋口智大

アロー行政書士事務所の代表行政書士。
ドローン飛行許可承認申請や建設業許可申請、産業廃棄物収集運搬業等の許可申請や契約書作成業務を行っています。また、自身で会社を設立し起業した経験を活かしたビジネス支援も行っています。行政書士資格の他、宅建士やドローン検定1級などに合格しています。ドローンはDJI Mini 3を保有し、撮影しています。
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所属:日本行政書士会連合会、東京都行政書士会
行政書士登録番号:24080257