営業活動が苦手でも行政書士資格を取れば稼ぐことはできる?どんな方法で仕事が取れるのか?

国家資格取得を目指す方の中には営業職をやっているが苦痛で向いていないから資格を取得して事務系の仕事がしたいという方もいらっしゃいます。
独立希望だけど営業が苦手で、と考えた末に国家資格にたどり着く方もいらっしゃるでしょう。

私も営業は苦手です。そんな私が行政書士になって思うのは、行政書士はそこまで高い営業力がなくても独立してやっていくことができるなということです。

なので、行政書士を目指しているけど営業は苦手で不安という方はもちろんのこと、営業が苦手だけど独立したいと考えている方にもある程度はおすすめできるかと考えます。

ただ、そうはいっても資格を取ったら自動的に何の苦労もせずに楽々仕事が入ってくるかというとそういうわけでもないです。

何らかの営業活動自体は必要です。

ということで、ここでは営業が苦手な方にとって行政書士がどの程度おすすめなのか、稼げそうなのか見ていきたいと思います。

なお、あくまで個人的な考えとなります。開業する地域やタイミング、取り扱い業務によって変わってくる部分もあるかと思います。
また、営業が苦手と一口にいってもその度合いも人によるところがあるため、あくまで参考意見のひとつとしてご覧いただければと思います。

行政書士事務所を開業してただ待っていても仕事は来ないという現実がある

行政書士事務所を開業したらすぐに仕事が舞い込んでくると思っている方も中にはいらっしゃるようですが、基本的に電話の前で待っていても仕事の依頼はきません。

でも、電話はたくさん鳴ります。

コピー機の営業マン、SEO業者、HP制作業者などいろんな業者から営業電話がかかってくるからです。

中には、コピー機を導入したらお客さんを紹介すると言ってくる事業者もあるようです。ただ、当然紹介はありません(絶対ないとは言い切れませんが)。

仕事が取れなさ過ぎてこういう業者のセールストークに引っかかってしまう方もいらっしゃるようですのでご注意ください。

初めからキツイことを書いて申し訳ないのですが、行政書士試験に合格して、単に事務所を開業しただけでは仕事は取れません。

なので、何もせずに仕事が取れると思っている方は要注意です。

3カ月から半年くらいは売上0円を覚悟しておく

行政書士として開業後、最初の3カ月は売上0円という方は意外と多い印象です。私もそうでした。

私の場合ですと、この間いわゆるわかりやすい営業活動は行わず、ずっとHPのコンテンツを作っていました。足を使った営業をしたくないからです笑

3カ月目か4カ月目くらいにようやく仕事がHP経由で入ってくるようになり、6カ月後にはかなり安定したかと思います。

ちなみに、初めての仕事はドローン飛行許可申請でした。ドキドキしながらやったのを今でも覚えています。2万円の小さな仕事ですが、金額の大小に関わらず最初はドキドキするものです。ホントに。ちなみに今でも初めてやる業務はやはり緊張します。人様の手続きを代理でするというのは簡単なものであってもかなり緊張します。

ここで何が言いたいのかというと、何かしないと案件の引き合いは来ませんし、売上は立たないということです。

自分なりで構わないと思いますが、何かしら誰かに自分のことを知ってもらうための活動が必要だということです。

逆にいえば、自分なりに何かやろうと思っている方であれば、売上は立てられるかと思います。

行政書士という国家資格の信用力は意外と高いからこそ営業が苦手でもなんとかなる場合がある

何らかの行動をしないと仕事は入ってきませんが、行動しているときに思ったのが、行政書士という肩書の信用力の高さです。

初対面の人に対して「得体の知れない謎の個人」ではないところから商談がスタートできるところに大きな強みがあります。

世間一般の個人事業者と比べ、行政書士という国家資格があるだけで、スタートラインが数段上に設定されているような状況です。

強引な営業トークは必要ありません。「私はここにいて、こういうことができます」と発信していれば、おそらくそのうち案件が獲得できます。

なので、営業力は低くても仕事自体は取れるかと思います。

コピー機やWeb業者等から営業を受ける立場でもありますが、あんな強引な営業活動は不要です。

知ってもらいさえすればいいというくらいの感じでも売上は立つかと思います。

ただし、行動力がない人は時間がかかることは覚悟してください。

「認知」の壁さえ超えれば安定すると考えられるのでどうやったら知ってもらえるかを全力で考える

知ってもらいさえすれば仕事は取れると思うのですが、どう認知されるかが重要です。

というのも、行政書士という資格名称を知っている方は意外と多いのですが、具体的に「何をしてくれる人なのか」を知っている人はほとんどいないからです。

「行政書士なんですよね?登記お願いしたいんですが」と相談されたことが何度もあります。許認可の相談よりこうした相談の方が多いという行政書士もいるのでは?と思うこともあるぐらいです。

なので、行政書士やってます!っていうアピールを頑張っても仕事が取れない可能性があります(取り扱う業務にもりますが)。

実際に私に依頼してくれた方の多くは行政書士を探していたというよりも、その手続きや業務に詳しい人を探している、サポートしてくれる人を探しているという形でのご相談が多かったです。この仕事は行政書士さんがやってくれるんですね、ということを言われたのものも結構あります。

なので、行政書士であるということよりも、●●の手続きやサポートの専門家という形で世間一般に知ってもらう必要があると考えます。

そして、これを知っていただきさえすれば意外と仕事は取れます。

でも、この知ってもらうための活動を頑張る必要はあります。

知ってもらうための方法は何がある?すごいマーケティングとかは不用だと思う

正直なところ、どんなことをどんなやり方をしてもOKだと個人的に思っています。

ほとんどの方が行政書士1人の個人事務所でやっていこうと思っているかと思いますので、自分の分さえ稼げばいいという状況かと思います。

そうであるならば、いわゆるところのマーケティング活動とよばれるような分析、調査、手法の検討は不要だと思います(1億円売上げたいとかなら話は別ですが)。

必要なのは単純に行動だけだと思います。

以下は一例となります。

地域の経営者の集まりに顔を出してみる

一番効果があると思うのが、地域コミュニティに参加することです。

行政書士業務の多くはネット集客よりもアナログ的な集客の方が効果が出やすいと感じています。

というのも、ご依頼者の方の中にはただ単に近かったからという方もいるからです。本当にそれだけの理由です。

インターネット、オンラインでのやり取りが当たり前になった今の時代でも、近くにある業者がいいという方は多い印象です。頻繁に会うわけではありませんが、もし何かあったときに近い方がいいかも、ぐらいの感覚です。

そういうこともあってか、地域の経営者コミュニティにうまく入り込めると仕事は発生しやすいようです。1つのコミュニティーでいいです。1つ繋がると、紹介、紹介、紹介、って感じで回っていくようです。売り込まなくても大丈夫かと思います。
※ただし、一定のコミュ力というか人付き合いは必要です。

ちなみに、私はこうした継続的な付き合いがどうしてもちょっと得意ではなかったので、頑張れなさそうなので別のやり方を模索しました。

続けられる人はこれが一番早く仕事取れるかと思います。

なお、ご自身がやりたい業務分野と照らし合わせて参加するコミュニティ等は考えていく必要があります。

税理士からの紹介

税理士からの紹介で成り立っている行政書士も多い印象です。

何か事業を起こす際に初めに相談するのが税理士であるケースが多いというのもあるのか、税理士が許認可できる人を探しているというケースが一定度あります。

ちなみに、税理士も行政書士登録自体は可能です。ただ、税理士は税理士としての業務が忙しすぎてそれどころではないという方が多く、許認可部分は丸投げしたいという方が結構多い印象です。それに税理士としてやっている方が儲かりますしね。

税理士からの紹介はかなり多いそうなので、税理士に顔を売っておくのも悪くないかと思います。

経営者等を含めた地域コミュニティで存在感を出すよりもこちらの方がやりやすいでしょう。

DM・ポスティング・チラシ等

チラシをまくという方法も一定度有効なようです。

即効性というよりかは、DM等を送った半年後、1年後にポツポツ依頼が来たなどがあるようです。私は費用対効果が悪そうだなという印象しかもっていないので一切やりませんでしたが、このやり方で結果を出している方もいるようです。

HPやSNSでの集客

私はいわゆるリアル・対面での営業活動をしたくなかったので、HP経由で問い合わせが来たものだけをやれるように頑張りました。なので、この方法に全振りしています。

オンライン申請が可能な業務分野が増えたほか、相談者様自体も相談はオンラインでやってほしいというケースは増えたので、商圏を全国に広げることが可能となり、意外とたくさんのご相談を受けることができます。

ただ、近場の行政書士に相談したいという需要の方が多いのは間違いないので、本当はリアル営業+Web活用でやっていくのが売上を伸ばすにはいいのだと思います。
私の場合で言うならば、そこまでアクティブに動き回れる性格ではないので、リアル営業の方は思い切ってやめて、日本全国を対象にオンラインでマッチしそうな事業者様だけを対象にそこを全力やるということで決めてターゲットを決めました。

日本全国をターゲットにやっておりますが、地域にこだわっていない人はそれなりに多くいらっしゃるので、オンラインでのやり取りを好む経営者層と繋がりやすくなり、結果的に自分にはマッチしたやり方になっています。ちなみに、お客さまも都内よりも地方の方が多いです。

ただ、HPにしてもSNSにしてもYoutubeにしても、育つまでに時間がかかるので、即効性に欠けるやり方であることには注意が必要です。

でも、1回育つと安定して問い合わせがずっと自動的に来るのでおすすめです。

また、Web集客を頑張る行政書士がほとんどいないので、SNSにしろSEOにしろWeb上で上位表示させるのはそこまで難しいことではないと感じます。1番は無理でも2番手、3番手くらいにつけておけばそこそこ問い合わせは来ますしね。

ちなみに、Webを頑張る行政書士が少ないのは、Webよりもリアル営業の方が効率がいいからです(1人や少人数事務所なら)。Webとリアル営業両方最初やっていても、紹介とかで案件を獲得していく方が効率がいいと感じる人はやはり多いのかなと思います。

なので、営業は苦手だけどリアルで開催されている会合とかに出かけて飯食って話をするだけならそこまで苦痛じゃないとかっていうなら、このリアル営業をやるのが一番手っ取り早いのかもしれません。

そうでないならWebも含めてその他のことを何か探してみましょう。

ちなみに、Webの場合もHPの記事を10個、20個チョロッとショボい記事を更新したぐらいでやめてしまったり、Youtubeも動画を適当に撮影して数回投稿して諦めてしまう人がいますが、そのぐらいの適当な感じだとうまくいかないと思います。

レベル感はともかくとして、数を適当にたくさん出すという発想ではなく、気合を入れて一球入魂のものを毎日コツコツだしていくことをおすすめします。

後は生成AIに頼ってコンテンツを作らないようにしましょう。自分で作ることをおすすめします。もちろん誤字脱字や編集を手伝ってもらうのは悪くないと思いますが。

生成AIも含めて技術進化や流行り廃りが発生する領域なので一定の注意は必要ですが、AI・Web周りを得意にしておくメリットは大きいので、取り組んで損はないかなとは思います。

業務分野選びは重要かもしれない

売上の増減に一番影響があるのは、どの業務分野を選ぶのかという部分にあるかもしれません。

私も取扱い業務分野を増やしたらその領域で大きな需要があり、一気に売上が伸びたという感触を持っています。行政書士業務の場合、Web問い合わせ向きの業務とそうでない業務とがあるなと感じる部分もあります。ちなみにリアル営業は全部の領域に割と向いていると思います。

また、都心なのか地方なのか、都市部なのか田舎の山の中なのかによって需要のある業務は変わってくるため、開業する場所に合わせて業務を選択し、需要を見極めるようにしてください。

この分野選びさえ間違えなければ、食えないってことはないかなと思います。

なお、どのエリアでも需要があるのは、建設業と自動車関係だと言われています。実際に私もそうだと感じています。

Web経由の業務との相性だと、自動車関係、外国人関係、ドローン関係は結構相性いいと思います。ドローンはYoutubeと相性がいいです。私はYoutubeやめましたが。

風営関係とか土地・開発関係はそこまで相性良くないだろうなと感じます。風営関係は意外と人間関係からのご相談というパターンが多いかと思います。

営業が苦手でも仕事は取れるが何らかの行動は必要になる

結論としては、営業力が低くても仕事は取れるが、行動自体は必要だということです。リアル営業にしてもWeb集客にしても、一般的な事業者よりもそのスキルが低くても仕事は取れます。これは間違いないです。特にWeb集客はかなりガラ空きだと思います。行政書士が一番取り組んでいると思われる建設業にしてもそんなにWeb集客頑張っている行政書士は多くない印象です。

営業活動は自分に合ったやり方をすればいいと思いますので、リアルなのかWebなのか、チラシ等なのかは問いませんが、個人的にはリアルな人付き合いで開拓していく人の方が売上伸びるのが早いと感じています。リアル営業といっても、顔を出す、顔を売るという活動のことを指しております。

また、私のようにWebオンリーで業務を受注することも可能です。

なので、営業が苦手な方でも行政書士としてやっていくことは十分可能だと思います。

むしろ、営業が苦手だからこそ資格に頼るというのはありなのかなと思います。

ただ、何ども記載しますが、それなりに活動をする必要はあります。

でも、自分なりに何か行動すれば何とかなるものだと思いますので、これから目指す人はご参考いただければと思います。まずは試験合格を目指して頑張ってください!

なお、食えるか、食えないかという視点については以下の記事にて解説しております。本ページと類似する部分はありますが、ご参考ください。

営業活動が苦手でも行政書士資格を取れば稼ぐことができるかもしれない(あくまで可能性)

本ページで記載したように、営業が苦手だとしても資格の力で下駄をはかせてもらえている状況なので、稼ぎやすくはなるかと思います。

少なくとも何もない個人と比べれば間違いなく稼ぎやすいです。

ただ、事務所を開いて待っているだけで仕事の方から自動的にやってくるというものでもありませんので、資格の力だけに頼って稼ごうとするとダメでしょう。

そのため、何らかの営業活動を頑張る気がある、行動する気はある、が、しかし営業は得意ではないというケースであれば、ある程度稼げるのかなと思います。

ただ、人によるところもありますし、取り扱い業務、地域によるところはあります。

あくまで参考の1つとしていただければと思います。

執筆者情報

行政書士 樋口智大

アロー行政書士事務所の代表行政書士。
ドローン飛行許可承認申請や古物商許可申請、酒類販売業免許申請等の許認可申請と契約書作成代行業務を中心に行っています。また、自身で会社を設立し起業した経験を活かしたビジネス支援も行っています。行政書士資格の他、宅建士やドローン検定1級などに合格しています。写真撮影に凝っていた時期がありドローンもその一環でよく飛ばしていました。また、著作権相談員(日本行政書士会連合会)として登録されています。
ご依頼・ご相談などはお問い合わせよりご連絡ください。
所属:日本行政書士会連合会、東京都行政書士会
行政書士登録番号:24080257